“夕食を食べながら考えるのが楽しい”…家族と一緒に盛り上がる「今夜はナゾトレ」

[ 2019年4月8日 05:25 ]

 子供から大人まで幅広い年齢層で楽しめる番組が減っている中、“家族で盛り上がっている”と評判なのが「今夜はナゾトレ」(フジテレビ、毎週火曜午後7時)だ。

 学力や雑学など“知識”を競うのではなく、頭のカタい大人には難しく、発想が柔軟な子供であれば簡単に解けるという“ひらめき”問題が出題されるクイズバラエティー。くりぃむしちゅー、タカアンドトシ、柳原可奈子らが出演している。

 テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(エイト社、東京 対象960人)に寄せられた番組感想によると“家族”に関するコメントが多いのが特徴の一つだ。「子どもがクイズにチャレンジしながらみています」(39歳女性)、「子供と一緒に解きながら見られる。考えたら解ける問題なのでおもしろい」(34歳女性)といった親子が一緒になって楽しんでいるのはもちろん、「クイズを家族で解いている」(15歳女性)、「夕食を食べながら考えるのが楽しい」(16歳男性)など、テレビ離れが指摘される若者世代も家族とともに同じ時間を過ごしていることがうかがえる。

 他番組の感想で“家族”や“子供”といった言葉が含まれるものは意外と少なく、例えば高視聴率を獲得し幅広い世代で親しまれている「世界の果てまでイッテQ!」や「チコちゃんに叱られる!」での “家族ワード”の含有率はどちらも4%だったのに対し、「ナゾトレ」は13%(2月調査の全コメント数から算出)と目立った数字となっている。

 家族として楽しめる理由の一つに問題のレベルが挙げられる。「子どもが先に答え、それを褒めたりする事で、(子どもが)喜んだり自信がついたりするのでいい番組」(50歳女性)、「難易度がちょうど良い」(18歳男性)、「子供と一緒に考えられるからいい」(44歳女性)など、簡単すぎず難しすぎない絶妙なさじ加減が好評の要因にあり、「何も考えずに見られるわけではなく、家族と頭を使いながら見られるのがいい」(45歳女性)など、最近の視聴者が好む傾向である少し「頭を使う」という点も家族間でのコミュニケーションを深めているのかもしれない。

 番組の人気コーナーである東大の謎解き制作集団が出題する“東大ナゾトレ”の書籍はシリーズ累計100万部を突破。今年2月の放送では通常回で初めて2桁視聴率を獲得、番組最高を記録するなど、ジワジワと人気が高まりつつある。一過性のブームか、それとも長寿番組となるか。新元号「令和」になっても時流に乗る番組づくりが求められる。

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2019年4月8日のニュース