嵐・大野が苦しんだアイドルの「宿命」 実像とのバランス難しく

[ 2019年1月28日 08:15 ]

「嵐」2020年末で無期限活動休止発表

涙をこらえながら会見する嵐・大野智(撮影・吉田 剛)
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 大野が「嵐を脱退したい」と思った理由は「自由になりたい」。

 ジャニーズ事務所のグループに所属している以上、メンバーはアイドルとして生きていくことが求められる。仕事では歌、演技、バラエティー、トークをマルチにこなさなければならず、私生活でも自由に生きることはできない。好きなタイミングで趣味に没頭することはできないし、以前よりハードルが低くなったとはいえ、結婚も難しい。

 4年前の2015年。元女優との熱愛が報じられた際、大野は取材に対し「お付き合いは一切していません。もう会うこともございません」とコメントしたことがあった。

 現在38歳。アイドルのイメージから脱却しない限り、実年齢通りに生きていくことはできないのが現状。ジャニーズ事務所を退社しようとさえしたことからも、彼が嵐のリーダーという「重責」にアイドルとして生きる上での「宿命」を抱えた中、等身大のアラフォー男性としての「実像」をどう抑え込んで生きていくのか、その苦悩にあえいでいたに違いない。

 年齢を重ねれば重ねるほど、「アイドル」と「実像」のバランスを取るのは難しくなる。別の生き方をしたいと考えるのは自然な流れだったのだろう。20年で一つの区切りを打った5人は、笑顔に満ちた表情でこの日の会見に臨んだ。これがアイドルの物差しの一つになるかもしれない。(文化社会部デスク・小枝 功一)

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