「ボヘミアン・ラプソディ」監督にセクハラ疑惑 全面否定もアカデミー賞レースに影響か 米誌報道

[ 2019年1月25日 05:30 ]

ブライアン・シンガー監督(AP)
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 米アカデミー賞の作品賞候補に選ばれた英ロックバンド「クイーン」の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」のブライアン・シンガー監督(53)に、複数の少年に対するセクハラ疑惑が23日、米誌報道で浮上した。

 シンガー氏側は声明で「少年と性交渉したこともなく、少年好きでもない」と全面否定。アカデミー賞授賞式(米国時間2月24日)を前に注目が集まる映画を利用しての「同性愛者を嫌悪する記者による中傷」と反発した。

 映画界では一昨年秋に表面化したセクハラ問題を機に、被害者らが告発する「#MeToo(私も)」運動が活発化。性犯罪に厳しい目が注がれており、賞レースに影響を及ぼす可能性もある。

 同氏には別の少年への性的暴行疑惑もかけられている。米誌アトランティックは23日、複数の被害者の証言を取り上げ、シンガー氏の性的暴行やセクハラ行為などの疑惑を報道。「被害者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいる」と訴えた。

 シンガー氏は1995年公開のサスペンス映画「ユージュアル・サスペクツ」で注目され、ヒーロー大作の「X―MEN」シリーズなどを手掛けた人気監督。「ボヘミアン・ラプソディ」は、世界興行収入が7億9600万ドル(872億円)に上るなど大ヒット。日本の興行収入は100億円を突破した。だが、シンガー氏は製作中の17年12月に、撮影期間残り2週間というところで現場に来なくなり映画会社に解雇された。詳しい理由は公表されず、当時報じられていた別の未成年に対する性的暴行事件での提訴が理由とみられていた。

 監督として同氏の名前は作品に残されたが、今月6日に行われたゴールデン・グローブ賞の授賞式で作品賞を受賞した際、同氏はステージに姿を見せず、関係者も同氏についての言及を避けた。

 《音楽作品も人気に》 映画が社会現象になっていることを受け日本ではクイーン作品も大ヒットしている。ユニバーサルミュージックから発売されている作品の全出荷枚数が、昨年10月からの累計で100万枚を突破。そのうち、映画サウンドトラックが配信含め41万枚を超えた。ストリーミング再生は総計1億1000万回超。名曲「ボヘミアン・ラプソディ」は1182万1149回再生。

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2019年1月25日のニュース