吉永小百合 最近の“原爆問題”推察「知らないっていうことがつらい」

[ 2018年11月15日 05:00 ]

広島平和記念資料館の音声ガイド収録に望んだ吉永小百合
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 女優の吉永小百合(73)が14日、広島市内で広島平和記念資料館の音声ガイドを新たに収録した。

 同館で2002年8月から導入された音声ガイドでは、56項目のうち19項目の解説を吉永が担当。来春の本館リニューアルオープンに伴いこの日、16年ぶりに再収録し、26項目のナレーションを務めた。「大げさな表現は好きではないので、抑制した形で的確に伝えられたらいいなと思う」と話した。

 再収録にあたり第2次世界大戦の知識を深めようと、9月にポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡などを初訪問したことを告白。「侵略され続けたポーランド人の戦争への考えを感じ取れた」と振り返った。収録前日には、広島平和記念資料館を視察し、あらためて展示物をじっくり見て回ったという。

 吉永は原爆が投下された1945年に生まれたという因縁もあり、戦争や被爆者の体験談を語り継ぐことに尽力している。最近、立て続けに浮上した韓流グループ「BTS」メンバーによる原爆Tシャツの着用や、日米野球に出場する大リーガーが原爆にまつわる不適切な動画をSNSにアップした問題について、「(原爆投下の詳細を)知らないっていうことがつらい。知らないからそういうことができるんでしょうね」と推察した。

 また、「広島でも(原爆が投下された)8月6日を知らない子がいると聞きびっくりしたんですけど、どうしたらいいのかなと思ってしまう」と吐露。だが、「昨日資料館で、メモを取ったり必死で展示物に食らいつく感じの中学生を見てうれしかったし、あの子たちの心にはきっと何かが残ると思う」と、知ることの大切さを強調した。「被爆国の私たちが核兵器禁止の声をいろんな形で上げていくことが大切」と、語っていた。

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2018年11月15日のニュース