「積み木くずし」穂積隆信さん死去 87歳 娘の非行と更生ドラマ化、大ヒット

[ 2018年10月21日 05:30 ]

死去した穂積隆信さん
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 非行に走った娘との葛藤をつづったベストセラー「積木くずし」で知られる俳優の穂積隆信(ほづみ・たかのぶ、本名鈴木隆信=すずき・たかのぶ)さんが19日、胆のうがんのため神奈川県内の病院で死去した。87歳。静岡県出身。生前の本人の希望で遺体は献体され、葬儀・告別式は行わない。

 俳優座養成所を経て、1959年に今村昌平監督「にあんちゃん」で映画デビュー。野村芳太郎監督や山田洋次監督らの作品で、味のある脇役を演じ印象を残した。テレビでは72年の「飛び出せ!青春」などの学園ドラマで、神経質だが憎めない教師役で親しまれた。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのドク役など洋画やアニメの声優としても活躍した。

 82年には、一人娘の由香里さんの非行と更生までの経緯をつづった「積木くずし〜親と子の二百日戦争」を出版。これが約300万部のベストセラーになった。翌83年に高部知子(51)主演でドラマ化(TBS)され、空前の大ヒット。最終回は現在でも民放ドラマ歴代トップ(77年9月26日以降)の視聴率45・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど社会現象を巻き起こした。

 2人は親子関係を修復したものの、03年に由香里さんが35歳で病死。最初の妻と離婚後、93年に再婚した2人目の妻にも2年前に先立たれた。以降も活動を続けていたが、今年2月に東京・三越劇場での舞台「人生のおみやげ」が最後の出演作品となった。

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2018年10月21日のニュース