渡辺謙 ロンドンで進化、主演「王様と私」開幕1カ月「ブロードウェーの時より反応いい」

[ 2018年8月3日 04:00 ]

ミュージカル「王様と私」が上演されているロンドン・パラディウムの前に立つ渡辺謙
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 英ロンドンの演劇街ウエストエンドでミュージカル「王様と私」に主演中の渡辺謙(58)が、現地でスポニチ本紙の取材に応じた。2015、16年の米ブロードウェーに続く海外3公演目。世界演劇の2大聖地を制覇した渡辺は「ブロードウェーの時より反応がいい」と自信の表情。9月末までの公演を「集大成にする」と誓った。

 酒を手に談笑していた観客が、場内が暗転すると同時に静まり返った。1960年代にビートルズがライブを行ったこともある老舗劇場ロンドン・パラディウム。約2300の客席は平日にもかかわらず、ほぼ埋まった。

 王様を演じる渡辺が歌うたびに拍手。セリフやコミカルな表情に笑いが絶えない。カーテンコールは総立ちで拍手となった。

 「演劇の聖地ということもあり、ハードルが高いのかなという気はしていた」と渡辺。だが、厳しいことで知られる有力紙「タイムズ」の劇評は「☆☆☆☆☆」と最高評価の5つ星。6月21日に始まったプレビュー公演の初週は、同劇場の週間売り上げ記録を更新する好調ぶり。ブロードウェーでは「10やっても4、5割しか届かなかった」と悔しい思いもしたが、より演劇に目が肥えているウエストエンドで「総じて届いている実感があり、手応えは感じています」と自信を見せた。

 ブロードウェーでは初の海外公演、初のミュージカルで、英語のセリフとも格闘した。今回は英国英語の壁までも克服。観客の笑い声の多さが何よりの証拠で「ちゃんと言葉がつながっているから笑いが起きていますよね。(吉本)新喜劇みたいにウケてるでしょ」と“進化”を口にした。

 プレビューを経て7月3日に本公演がスタート。9月28日の千秋楽まで週8回公演で駆け抜ける。「今はとにかく、9月までどうやって最上級のものを届けられるかということを考えています」と観客に最高の舞台を届けることに集中。「この『王様と私』が最後になるかもしれないという気持ちで、僕の集大成としてやりたい」と“完全燃焼”を誓った。

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