藤井聡太、史上初「中学生五段」 9連勝で順位戦C級1組昇級

[ 2018年2月2日 05:30 ]

梶浦四段に勝ち、中学生として史上初の五段昇段を決めた藤井
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 将棋の中学生棋士・藤井聡太四段(15)が1日、東京都渋谷区の将棋会館で指された順位戦C級2組9回戦で梶浦宏孝四段(22)に勝ち、9連勝で同級1組昇級を決めた。同時に規定により、同日付で五段に昇段。中学生でのC級1組昇級と五段昇段はともに史上初の快挙となった。

 天才棋士にさらなる勲章が加わった。「序盤は作戦負けと思ったが、その後激しくなって踏み込めたのがよかった」。名人へつながる細く曲がりくねった道の出発点にあたるC級2組。前局8回戦(1月19日、対矢倉規広七段)の勝利で単独首位に立った藤井は、この日も梶浦四段を114手で下し、無傷の9連勝だ。残りの1局(3月15日、対三枚堂達也六段)を落としても1組への昇級条件となる3位以内が確定。しかも参加1期目での快挙に「そこはうれしい」とはにかんだ。

 過去4人いる中学生棋士中、同組1期抜けを達成したのは加藤一二三・九段(78)しかいない。あの羽生善治竜王(47)でさえ2期を要している。「まだ最終戦があるので全力を尽くしたい」といつも通り謙虚に決意表明した藤井。偉大な先輩たちが築いた主要な記録を快ペースで塗り替え、最短なら19歳で挑む名人への階段を一歩上った。

 今月17日には朝日杯オープン戦準決勝で、羽生と公式戦初対局。勝って同日の決勝も制すれば中学生初の一般棋戦優勝となり、規定で六段に昇段する。

 ≪ひふみんに次ぐ年少記録 15歳6カ月で≫中学生でプロ入りした5人の棋士は、いずれも順位戦C級1組への昇級で五段に昇段した。このうち、1期で昇級したのは加藤と藤井の2人だけ。ともに中学3年での快挙だが、当時の規定で加藤の昇段は高校1年となる4月1日付だったため、中学生で五段となったのは藤井が初めて。年齢は15歳3カ月の加藤が最年少で、15歳6カ月の藤井が2位。谷川と羽生は昇級に2期、渡辺は3期を要した。

 ▼加藤一二三・九段 1期で五段昇格は大記録で、聡太さんもさぞかし喜んでいらっしゃると思います。五段昇段と通算61勝の勝ち星を挙げたことは空前絶後の大記録と思い心から敬意を表します。15歳で五段になる棋士は今後出る可能性はありますが、四段の棋士が61勝を挙げることは、今後可能性は低いと思います。羽生さんでも五段に上がったときは61勝も挙げていないと思うので、61勝を挙げたことは何回繰り返し褒めてもいいくらい、空前絶後の大記録だと思います。

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2018年2月2日のニュース