非現実的だからこそ…「名刺ゲーム」“ショッキングなゲーム”に高い満足度

[ 2017年12月9日 15:40 ]

「名刺ゲーム」出演の堤真一
Photo By スポニチ

 2日にWOWOWプライムで堤真一主演の「連続ドラマW 名刺ゲーム」(毎週土曜午後10時)がスタートした。現役の人気放送作家・鈴木おさむ氏が執筆した同名小説が原作。テレビ業界の闇や日本社会の縮図を“ショッキングなゲーム”を使って浮かび上がらせる、新たなヒューマン・サスペンスとして期待が高い。

 ある密室に監禁された人気クイズ番組のプロデューサー(堤真一)が、謎の男X(岡田将生)によって自分と娘の命がかかった“名刺ゲーム”へ強制的に参加させられる。“名刺ゲーム”とは、室内にばらまかれた名刺の中から彼に恨みを持つという3人のものを見つけ出し正しく受け渡すというもので、さもなければ自分と娘の首に仕掛けられた爆弾が爆発するという恐ろしいルール。荒唐無稽な設定だが、素人同然だったテレビマンの主人公がヒットメーカーへと成長するにつれ、知らず知らずのうちにごう慢になっていくさまや、尊大な態度によって人生を変えられてしまった人物たちの悲劇がリアリティーをもって描かれている。地上波ではみられないショッキングな演出もあり、物語の展開だけでなく映像でも目が離せないシーンが随所にある。

 データニュース社(東京)が行なっているWOWOW加入者を対象とした「WOWOWウォッチャー」(対象1200人)によると「内容が過激」(58歳女性)、「爆発など怖いシーンでドキドキ」(28歳男性)など、刺激的な内容に驚きの声も。満足度は高く、初回は3・77(5段階評価)と高満足度の基準3・7以上を記録する好スタートを切った。

 「堤真一がちょっと嫌な感じのキャラクターだが、それ以上にシャクにさわるキャラの岡田将生のおかげで感情移入出来る」(51歳女性)など、展開されるゲームの面白さはもちろん、登場するキャラクターの演技も満足度を高めている。

 現在同局では「石つぶて〜外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち〜」(毎週日曜午後10時)を放送中。「石つぶて」がリアル感のある演出で社会問題を克明に描写しているのに対し、非現実的な設定の中に共感できるポイントを散りばめることで、じわじわと何が問題なのか、このゲームの目的は何なのかが浮かび上がってくる。アプローチの仕方は違うが、挑戦的であることには変わりない。ブレないのが一番である。

続きを表示

2017年12月9日のニュース