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秋のクラシック

1988年ワールドシリーズの公式プログラム。お値段は5ドル
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 【我満晴朗のこう見えても新人類】メジャーリーグのポストシーズンが始まった。前評判の高さならロサンゼルス・ドジャースだろう。なにしろレギュラーシーズン104勝58敗、勝率・642はメジャー最高成績なのだから、当然と言えば当然かもしれない。

 6度の世界一を誇る彼らにとって、最後にワールドシリーズを制したのは意外にも1988年。実に29年も前だ。オークランド・アスレチックスと対戦したワールドシリーズは不利をささやかれながらも、4勝1敗の快勝。ドジャースタジアムで行われた開幕戦と第2戦をたまたま現地観戦した筆者にとっては思い入れの激しいシリーズでもある。

 デビー・ギブソンの国歌独唱で始まった初戦、いきなり度肝を抜かれたのが2回に飛び出したホセ・カンセコ(アスレチックス)の満塁本塁打だった。三塁側スタンド中段に座していた筆者から見た打球の当初の印象はショートライナー。ところが白球は左中間低空をグングンと突き進み、そのままフェンスを越えていったではないか…。これがMLBパワーなのかと驚嘆に浸り、声が全く出なかったことを覚えている。

 さらなる衝撃は試合終了間際に待っていた。1点ビハインドで迎えたドジャースは、この年に45セーブを挙げたアスレチックスの絶対的守護神デニス・エカーズリーを前に2死無走者と追い込まれる。最後の打者と誰もが観念した代打マイク・デービスがかろうじて四球を選び出塁。ここでトム・ラソーダ監督が左打席に送ったのが主砲のカーク・ギブソンだ。

 本来なら堂々と先発する選手なのだが、シリーズ前に両脚を負傷しており、バットを振ることは出来ても全力疾走はほぼ不可能。ヒットとなるべき打球を放ったところで一塁に達する前にアウトになるかもしれない、そんな悲愴(ひそう)感漂う場面で、われらがキャプテン・カークは逆転サヨナラとなる2点本塁打を右翼席に叩き込んだ。ギブソンで始まり、ギブソンで幕を閉じた歴史的一戦。この時のスタジアム一体となった狂喜乱舞は後にも先にも経験したことがない。

 翌日の第2戦は先発した大エース、オーレル・ハーシュハイザーの独壇場。相手の強打線をわずか3安打でシャットアウトしたばかりでなく、打っても3打数3安打1打点!後に日本ハム入りするマイク・マーシャルの3点本塁打とともに印象深い。

 第3戦以降は帰国して衛星放送での観戦だったっけ。ちなみにMVPに輝いたのは2勝を挙げたハーシュハイザー。レギュラーシーズン終盤には連続59イニング無失点というお化けみたいな記録をマークしていた。そんな伝説的大投手がこの夏、大谷翔平(日本ハム)を視察にわざわざ来日したというのも時の流れを感じてしまう。

 もし今年、ドジャースが頂点に立てば、あの年以来となる。しかも今回は前田健太、ダルビッシュ有と日本人選手が2人も在籍中。あくまで個人的な思いなのだけど、29年の時空を超え、今年は西海岸の名門をこっそり応援してみたい。(専門委員)

 ◆我満 晴朗(がまん・はるお)1962年、東京生まれの茨城育ち。夏冬の五輪競技を中心にスポーツを広く浅く取材し、現在は文化社会部でレジャー面などを担当。時々ロードバイクに乗り、時々将棋の取材もする。

[ 2017年10月7日 08:30 ]

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