藤井四段“3冠”快走!対局数、勝利数、勝率の3部門でトップ

[ 2017年7月28日 05:30 ]

平藤眞吾七段(右)に勝って公式戦通算34勝目を挙げ「銀河戦」の本戦トーナメント進出を決めた藤井聡太四段(左)は感想戦で盤上を見つめる
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 将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が27日、大阪市の関西将棋会館で行われた銀河戦予選で平藤真吾七段(53)と対局し、101手で勝利した。公式戦は通算34勝2敗(今年度24勝2敗)。現在、今年度の対局数、勝利数、勝率の3部門でトップ。勝率は0・923に上昇し、歴代最高勝率の更新にも期待がかかる。次戦は来月4日の王将戦1次予選決勝。勢いに乗る菅井竜也七段(25)と対戦する。

 持ち時間25分ずつの早指し戦。「積極的にいこうと思った」と振り返った通り、わずか65分で完勝した。デビューから14連勝となった棋王戦予選以来、92日ぶりの平藤との再戦に勝ち、ブロック別トーナメントに進出。「テレビ棋戦なので多くの方に見てもらえる。熱戦を演じて勝ち上がっていけるように頑張りたい」とほほ笑んだ。

 平藤が振り飛車で早めに攻めの姿勢をとったが、藤井は少しも動じずマイペース。自陣を固め、中盤から攻撃に転じてそのまま勝ちきった。敗れた平藤は「前回よりもさらに凄みを感じました。お見事でした」と脱帽するしかなかった。

 現在、今年度の対局数、勝利数、勝率の3部門でトップ。この日の勝利で勝率は0・923にさらに上昇。早くも、16世名人の中原誠(69)=引退=が持つ歴代最高勝率の更新の期待の声も上がっている。対局数は勝ち上がりの数と比例して増えるため、強さの証明ともいえる。

 次戦は王将戦1次予選の決勝で菅井と対局する。通算勝率7割以上を誇り、対局数、勝利数で今年度2位につけ、第2局まで進行中の王位戦7番勝負で羽生善治3冠(46)に連勝して波に乗る強敵だ。藤井が公式戦で対戦した中で最上位の順位戦B級1組に在籍。藤井は「力負けしないように精いっぱい指したいと思います」と力を込めた。

 さまざまな記録の更新が見える中、ファンの期待が最も大きいのは最年少タイトルホルダーだ。現在の記録保持者は18歳6カ月で第56期棋聖戦を制した屋敷伸之九段(45)。藤井は王将戦であと3局で羽生と激突する可能性がある。菅井に勝って2次予選に進み、さらに2勝し、羽生も勝ち進めば公式戦で初対戦。非公式戦で羽生に勝っているだけに再戦は大きな注目になるのは間違いない。中学生最後の夏休み。「余裕ができた」と将棋に打ち込んでいる。秋にどんな収穫を見せるか楽しみだ。

 ≪対局数と勝利数は羽生が歴代最高≫3部門それぞれの歴代最高記録は、対局数と勝利数が2000年度に羽生が記録した89局、68勝。勝率は1967年度に中原が47勝8敗で記録した0.8545。

 ▽銀河戦 専門チャンネル「囲碁・将棋チャンネル」が主催。91年に創設され、00年から公式戦になった。予選突破者で勝ち抜き方式のブロック別トーナメントを行い、最終勝ち残り者と最多勝ち抜き者の2人が決勝トーナメントに進出する。

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2017年7月28日のニュース