「やすらぎの郷」で変化 平日昼の番組への視聴者の意識

[ 2017年6月18日 18:07 ]

 中高年層が見たいと思える番組枠=“シルバータイム”を掲げスタートした倉本聰脚本のドラマ「やすらぎの郷」(テレビ朝日、月〜金ひる12時30分〜12時50分)の参入で平日お昼の帯番組に大きな動きがあったといえる4月改編。その改編前後で各局の番組にどんな変化があったのだろうか。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、改編前後(改編前…17年1月1日〜3月31日、改編後…4月1日〜5月31日放送分データ)で視聴者数に大きな変化があったのは「やすらぎの郷」と「ひるおび!」(TBS、月〜金、午前10時25分〜13時55分)だった。

 「やすらぎの郷」は開始前の同時間帯に放送されていた「ワイド!スクランブル(第2部)」から、視聴者数170%という大幅アップ。「すっかりお昼の定番になって、この時間は必ず見るようになった」(58歳女性)など、新たな視聴者を開拓した。一方「ひるおび!」は、改編前後で29%減少した。とはいえ視聴者数は依然同時間帯トップ。これまでに築き上げてきた固定視聴者も多く、定番の安定感を示している。

 同アンケートでの満足度調査では「やすらぎの郷」が同時間帯の前番組から0・38ポイントアップの3・75(5段階表記)で、昼帯で唯一高満足度の基準3・7を超えている。同時間帯の情報番組で最も満足度が高いのは「ヒルナンデス」(日本テレビ、月〜金、午前11時55分〜13時55分)で3・51(4月以降平均)。グルメや旅、ファッションなどの情報系のほか、クイズなどのバラエティ要素も充実しており、「いろいろな新しい話題を知ることができておもしろかった」(36歳女性)など、情報番組としての役目を果たしており、視聴者には重宝されているようだ。

 「ヒルナンデス」や「ひるおび!」は、改編前後で満足度に大きな変化は見られなかったが、「バイキング」は前期3・05から3・17と0・12ポイントの上昇。1月から5月まで月平均でみると、2・98→3・01→3・13→3・21→3・17と、上昇傾向にある。政治ネタから芸能界のネタ、介護問題まで、どんな話題に対しても本音で討論するこの番組に賛否両論あるが「本音トークが魅力的」(32歳女性)など、ファン視聴者も増えている。

 各局それぞれのカラーがはっきりとしてきた昼の帯番組。今後も視聴者数、満足度ともに注目だ。

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2017年6月18日のニュース