「突然ですが、明日結婚します」逆転現象の理由は?視聴率不振も配信は好調

[ 2017年3月11日 20:06 ]

配信では好調の「突然ですが、明日結婚します」
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 放送枠史上最低視聴率を記録するなど不振が伝えられる今期の月9「突然ですが、明日結婚します」(フジテレビ、月曜よる9時)。一方で放送後7日間無料視聴できる見逃し配信サービス(FOD「+7(プラスセブン)」)の視聴回数が中盤まで過去最高ペースで推移。先日第7話でのキャスト陣の副音声企画ではSNS上で大きな盛り上がりを見せたりするなど、視聴率だけでは測れない現象もある。

 データニュース社(東京)のテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、第7話までの平均満足度は3・20(5段階評価)と、高満足度の基準が3・7以上であることからすると厳しい数値。その内訳を視聴者層別にみると、最も低い視聴層がM2(35歳〜49歳男性)で2・36、続いてF3(50歳以上女性)が2・95と年齢層高めの視聴者は満足度が低い。若い女性のF1層(20歳〜34歳女性)は各層の中で最も高く3・60で、第1話から3・81と高数値で、第6話ではこれまでで最も高い3・88を記録した。

 満足度が低い視聴者の意見には「昔のトレンディドラマのようだった」(42歳女性)、「あんまり現実的でない感じ」(46歳女性)など、恋愛=夢物語の構図に納得していない様子。劇中に登場するタワーマンションなど視聴者に憧れを抱いてもらえるようなキラキラとした描写が多く、年齢層高めの視聴者にはそれが非現実的に思え、満足度を低くしてしまっている。

 満足度の高い意見からは「見ていて楽しい。少女漫画に出てくるような話で今後が気になりました」(25歳女性)、「元祖恋愛、月9という感じが面白かった」(33歳女性)など、若い層の視聴者はその王道な部分を逆に楽しんでおり、それが高満足度につながっている。 この年齢層間での熱量の差が、視聴率は低いが、若い視聴者の反応が顕著に表れる配信やSNSでの盛り上がりは大きいという逆転現象を引き起こしている理由のようだ。

 とはいえ同じようなラブコメディでも日本テレビで放送中の「東京タラレバ娘」は、最も高い層の満足度はF1層で3・95(第7話までの平均)、最低がM2層で3・45と“明日婚”ほど差はなく、全体でも3・72と高い満足度を獲得しており、ラブコメだからといって視聴者間に満足度の差が生じやすいというわけではない。今回の月9は王道を突き詰めているが、王道だからこそどんな世代も共感するドラマにもできる。重要なのはそのバランスのとり方で、若い視聴者はもちろん、どんな世代にも満足できる作品作りが、フジテレビの看板枠“月9”のこれからの課題だろう。

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2017年3月11日のニュース