“ラストサムライ”武田幸三「真田丸」で初大河「日本代表になった気分」

[ 2016年10月21日 10:00 ]

「真田丸」で大河初出演を果たす俳優・武田幸三(C)NHK
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 K―1などで活躍した元格闘家で、現在は俳優として活動する武田幸三(43)がNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)に出演することが21日、分かった。豊臣家の家臣・大野治房役で、23日放送の第42話「味方」から登場。以前から“侍役”を熱望していたという武田は、初の大河出演に「日本代表になった気分」と心を躍らせている。

 舞台俳優を中心に、声優の高木渉(50)やNHK・Eテレ「みいつけた!」のオフロスキー役で知られる小林顕作(45)ら、異色の配役も注目を集める「真田丸」だが、今度は格闘技界のレジェンドを持ってきた。

 現役時代はムエタイで史上4人目の外国人王者に輝き、その後はミドル級の「K―1 MAX」などの舞台で死闘を繰り広げた伝説のキックボクサー。鍛え上げられた鋼の肉体は“超合筋”と呼ばれ、右ローキックを武器としたKO必至のファイトスタイルは“ラストサムライ”の異名を取った。引退後の2010年からは吉本興業に所属。俳優としての活動を開始した。

 俳優業をスタートした当初から「侍の役がやりたい」と熱望。殺陣や乗馬の学校へ通い、NHK放送90年大河ファンタジー「精霊の守り人」などのオーディションにも積極的に参加した。努力が関係者の目に留まり、今回の出演オファーが届いた。

 自身初となる大河ドラマ出演を「自分は格闘技というスポーツをやっていたので、何だか日本代表になった気分です」と表現。「大河ドラマは日本のトップの役者の方たちが集まる場所じゃないですか。その端の席に置かせていただいている感覚ですね」と喜ぶ。

 日本を代表する役者たちが集う撮影現場では、いつの間にか“いじられキャラ”に。「特に哀川翔さん(後藤又兵衛役)と岡本健一さん(毛利勝永役)からは、めちゃくちゃイジられています。『おう!幸三!』といった感じでかわいがっていただいて、うれしいですね。哀川さんからはカブトムシの幼虫を頂いたんですけど、1匹死んじゃいまして。『すいませんでした!』と土下座しました。哀川さんからは『おまえ、ふざけるなよ。オレの大切な幼虫を』と言われましたね」と笑顔で語る。

 今作で演じる大野治房は、豊臣秀頼(中川大志)の側近として豊臣家を主導する大野治長(今井朋彦)の弟。「自分の正義を信じて行動してしまう、感情と行動が直結している人間。自分と似ているところもあって、表現しやすかったかもしれません」と人物像を分析した。

 俳優という職業に魅了されたきっかけは、渡辺謙(57)の熱演が話題となった03年のハリウッド映画「ラストサムライ」。「映画がもともと好きだったんですが、引退間近の時に『ラストサムライ』を見て大感動して。僕も現役時代“ラストサムライ”と呼ばれていましたが、俳優という仕事はこれだけ人の心を動かせるのかと思いました。でも、引退するまでは具体的に次の道は何も決めませんでした。もしかしたら死ぬかもしれない場所で戦っているのに、次の道が決まっているというのは格好悪いですよね。引退後にご縁があって、役者をやらないかというお話を頂きました」と転身の経緯を振り返る。

 「自分の天職は格闘家しかないと思っていて、俳優は2番手なんだろうなと思いながら、この世界に入りました」と転身直後の本心も告白。「ところがどっこい。生涯をかけて取り組める仕事にもう一度出会えて幸せです。演技には正解がないというところがおもしろいのかもしれないですね」と充実の日々を送っている。

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