TBS「ナポレオンの村」に込めた思い 町おこしで日本活性化

[ 2015年8月16日 09:00 ]

「ナポレオンの村」第4話の婚活イベント

 限界集落に改革を起こすスーパー公務員のサクセスストーリーを描いたTBS日曜劇場「ナポレオンの村」(日曜後9・00)。高橋正尚プロデューサーはドラマを通じて日本を活性化させたいという壮大な夢を語った。

 現代は地方創生を担当する大臣が創設されるほど国が地方の活性化に力を入れ始めている時代。そうした背景の下、高橋プロデューサーは原案である「ローマ法王に米を食べさせた男」(講談社)に出会うと「何の取り柄もないと思い込んでいる人々にきっと勇気を与えるドラマにできるんじゃないかと思った」ことから準備に取り掛かり始めた。

 高野誠鮮氏が石川県羽咋市神子原地区をあの手この手でよみがえらせる「ローマ法王に米を食べさせた男」のタイトルを見た瞬間「いける」と思ったという。限界集落を立ち直らせるというテーマそのものも「今この時代に興味持って見てくださる方が多いだろうなと思った」ことに加え「限界な人たちがどん底からはい上がるというコンセプトは普遍的なドラマのサクセスストーリーとして王道」とドラマ向きだと感じた。

 ただ、ドラマ化するにあたり原案をそのままなぞることはしなかった。高野氏の改革をくじけずにやり続ける情熱は存分に盛り込みつつ、具体的な村おこしのアイディアは日本各地の様々な試みをモチーフにしている。「例えば第4話で婚活をやるんですけど、和歌山で実際に実施されているイベントを基にしています。男女36人川物語っていう名前で、吊り橋を渡ったりラフティングをしたりしてカップルを生み出そうという。タイトルはふざけているけど、柔軟な発想で町おこしをしているなと」

 あくまでノンフィクションではなく創作であるものの「ドラマの中で起こっていることは、日本のどこかで今行われているかもしれないこと。わが町わが村を良くしようとバイタリティを持っている方が日本全国にいる。それと高野さんのスピリットを合わせて届けたい」と見どころを熱弁した。

 高橋プロデューサーは愛知県豊橋市出身。自身の故郷について「大自然もなければ都会でもない、普通のところ」と話すが、「ナポレオンの村」の星河市神楽村が村の良いところを見つけて輝いていったように「豊橋の人が豊橋にしかないものを見つけて、もっと認めてもらえる町になればいいなと思うし、そういう町がもっと増えれば日本は全体的に良くなると思う」と郷土愛、そして、そこから広がる日本のあるべき未来像にまで夢を広げた。 

 16日に放送される第4話は、主役の浅井栄治(唐沢寿明)が村の独身男性のパートナーを見つける婚活イベントを発案。イベントの準備が進む中、その一方で神楽村を廃村にしようとする福本純也市長(沢村一樹)が浅井に圧力をかけ…という展開になる。

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2015年8月16日のニュース