出川哲朗「すべらない話」初参戦！トークで爆笑も「生涯体張る」

「人志松本のすべらない話」に初参戦した出川哲朗

　お笑い芸人の出川哲朗（５１）が１１日に放送されるフジテレビ「人志松本のすべらない話」（後９・００）に初参戦。リアクション芸の代表格がトーク１本の勝負に臨んだ。「一生出られないと思っていた」という番組からのオファーに、緊張もなく意気揚々と収録に参加したが、まさかのハプニングに見舞われ、大汗をかく展開。それでも、出川に対する視聴者の印象が変わりそうな絶妙な話芸を披露し、爆笑を呼ぶ。本格的にトークに進出か？リアクション芸は？今後のビジョンについても語った。

　ダウンタウンの松本人志（５１）がホストを務める話芸の祭典。２００４年１２月２８日に深夜番組として始まり、今回第２８弾を迎える。

　出川にとっては「一生出られない番組だと思っていたので、すごくうれしかったです」という念願のオファー。０７年にはＴＢＳ「リンカーン」でパロディー企画「哲朗出川のすべる話」のホストを務めたが、ようやく本家に登場。「僕みたいに、話の途中で話以外のところで笑いが発生しちゃうタイプの芸人は本来、この番組の意図とはズレちゃうので、残念ですが、一生呼ばれることはないんだと、半ばあきらめていましたから。一生出られないと思っていただけに、リアルガチでうれしかったですね」と喜びをかみ締めた。

　収録前の準備について、出川は「僕はすべらない話は１００個から２００個あるので、別に何ともなかったですね 。普段通りにやれば、大丈夫だと。話の順番？その時の空気感を大事にするタイプなので」と真顔で話したが、実は冗談。入念にプランを練っていた。緊張もなく「『よし、やってやるぞ』という喜びの方が強かったですね」。本番前には松本の楽屋にあいさつに行き、握手を交わした。「『松本さん、ありがとうございます』と。ダウンタウンさんとは長いお付き合いで、いろいろな番組に出させていただいていますが、僕から握手をしに行ったのは初めてです」というほど、アドレナリンが出まくった。ちなみに出川（１９６４年２月生まれ）と松本（１９６３年９月生まれ）は同学年で、芸歴は「松本さんが１年先輩」。

　意気揚々と臨んだ収録だったが、ある“事件”が発生。喘息持ちの出川は突如、咳に見舞われる。ある芸人が話をしていたが、事もあろうか、オチ前で咳き込んでしまった。咳はそれほど大きくなく「危ない、危ない。セーフかな」と思ったが、周囲の反応は「出川さん、頼みますよ」「何やってんねん」「あり得ない、あり得ない」。いつもなら冗談ぽく釈明してもよさそうな場面だったが、そこは「すべらない話」のピリッとした空気。思わず立ち上がり「もうテレビのトーンじゃないですよ。普通に『本当にすいませんでした。実は喘息持ちで…』」と出演者とスタッフに頭を下げた。

　「目立とうして、そんなことをやっていると思われたら、一番最悪なので。普段だったら、そういうハプニング的なことでみんなが笑ったりするから、それをやろうとしていると思われたら、こんな最悪なことはないですから」。そこから汗だくに なり、心臓はバクバク。それまでなかった緊張に襲われた。

　直後に振られたサイコロは、自身の目が出るという展開。「最悪な始まりでしたね。１０年間、出たい出たいと言っていた番組の１発目が“咳事件”の直後。緊張で、ほんわか話せなかったですね。『咳が出たら、どうしよう。また迷惑がかかる』。固まったまま、しゃべっていましたよね」。ただ、２回目が当たるまでは時間があり、飴をなめて咳も収まったため「焦りがなくなりました」。硬さもほぐれ、本領発揮となった。

　出川はリアクション芸だけじゃない――。今回の出演を機に、出川に対する視聴者のイメージは変わりそうだ。

　「トーク？本当は下手くそですよ。でも、好きなんですよね。松本さんがカッコいいと思うのは、もう（トークの）リングに立たなくてもいいのに、一緒に立っているところ。僕もみんなと一緒にリングに立ちたいですよね。１回だけだと本当の思い出になりそうなので、オリンピックの４年に１度じゃないですが、間が空いてもいいので、いつかもう１回、トークの戦場で戦ってみたいというのはすごくありますね」

　自身の今後については「リアクション芸がメーンというのはブレないんですよ。僕の夢は、７０歳になっても熱湯風呂や鼻ザリガニをやって、かわいそうと思われないおじいちゃんになること。かわいそうと思われたら、もう笑えなくなっちゃうので。７０歳になっても体を張って、一発で笑えるおじいちゃんになれたら、もう最強だと思うので。もちろんトークもやりたいですが、大前提にリアクション芸があってのトークだと思っています」と生涯、体を張ることを宣言。その上でトークでも魅了することを誓った。

　昨年からは初の地上波冠番組「出川哲朗のリアルガチ」（テレビ東京、不定期放送）でもトークに挑戦。リアクション芸にとどまらない、出川の活躍が注目される。