手塚治虫さん未完の自伝がドラマ化 終戦直後の大阪が舞台

[ 2015年5月16日 06:00 ]

手塚治虫氏の自伝的作品「どついたれ」の表紙(C)手塚プロダクション/講談社

 1989年に亡くなった漫画家・手塚治虫さん(享年60)による、終戦直後の大阪を舞台にした未完の自伝的作品「どついたれ」(講談社)を原作に、独自の結末を描いたMBSラジオドラマが25日に放送される。

 番組タイトルは「どついたれ~大阪大空襲」(後8・00)。原作は、漫画家志望の医学生・高塚修、両親を空襲で亡くして妹とともに生きる戦災孤児のリーダー・哲らが、戦後間もない時期をたくましく生きる姿が描かれている。高塚が、大阪帝国大学医学専門部(現大阪大学医学部)で学んだ手塚さんの経歴とかぶるキャラクター。週刊ヤングジャンプで79年6月~12月、80年6月~11月に連載されたが打ち切りとなり、未完に終わった。

 今回のラジオドラマ化は、同局ラジオ局編成センターの島修一プロデューサーが企画した。脚本は、劇団「テノヒラサイズ」を主宰し、NHK連続テレビ小説「てっぱん」(2010年度後期)の脚本協力や文化庁芸術祭での優秀賞受賞歴がある、劇作家のオカモト國ヒコ氏に依頼。独自解釈で物語の結末までを描いており、手塚プロダクションの許諾を得て、作品化にこぎつけた。声は関西の舞台で活躍する実力派の俳優が務める。

 島氏は「戦争によって運命を狂わされた若者たちの人生の錯綜(さくそう)が描かれた作品。終戦70年を迎えた節目の年に、当時がどういう時代だったのかをリスナーの方々にあらためて考えていただく機会になれば」と話している。

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