「ブルースの王様」B・B・キング氏死去…糖尿病と20年闘い

[ 2015年5月16日 05:30 ]

89歳で死去したB・B・キング氏=2007年2月

 米国を代表するギタリストで「ブルースの王様」と呼ばれたB・B・キング(本名ライリー・B・キング)氏が14日、ラスベガスで死去した。89歳。ミシシッピ州出身。昨年10月、ツアー中に体調を崩し、脱水症と診断され、残る公演を中止していた。

 共同電などによると、今年4月上旬には、20年以上患っていた糖尿病による脱水症のため緊急入院。今月2日、米ラスベガスにある自宅でホスピスケアを受けると発表し、自身のフェイスブックに「皆さんの祈りに感謝します」とメッセージをつづっていた。

 米南部の貧しい小作農家の長男として生まれた。幼時に両親の離婚、母親との死別を経験。教会で音楽に親しみ、音楽で生計を立てようと志し、22歳で黒人音楽の中心地だったテネシー州メンフィスに。DJ時代に「Blues Boy」などと呼ばれ、これに由来して「B・B・キング」と名乗るようになった。

 50年代初めに「スリー・オクロック・ブルース」がR&B全米チャート1位となり一躍スターダムに駆け上がった。69年の「スリル・イズ・ゴーン」では都会的で洗練されたブルースを披露し、翌年にグラミー賞を受賞した。

 愛器のギブソン製ギターには「ルシール」と命名。歌唱中は一切伴奏せず、「スクイーズ・チョーキング」と呼ばれるビブラートを利かせた独特の奏法も確立。ブルースにジャズやポップスを融合させた音楽性はエリック・クラプトン(70)やジェフ・ベック(70)ら多くのギタリストに影響を与えた。

 88年にはU2と共演した「ホエン・ラブ・カムズ・トゥ・タウン」がヒット。生涯第一線で活躍し、50作以上のアルバムを発表。グラミー賞15回、米大統領自由勲章(06年)を受賞したほか、ロックの殿堂やブルースの殿堂入りを果たした。日本でも71年以来、何度も公演を行った。

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