「私の男」最も挑発的!モスクワ映画祭28日閉幕、受賞なるか

[ 2014年6月28日 12:10 ]

熊切和嘉監督

 世界4大映画祭の1つ「第36回モスクワ国際映画祭」は28日、閉幕する。コンペティション部門に日本から唯一、出品された「私の男」(監督熊切和嘉、公開中)が賞に絡むか注目される。

 21日には公式上映と記者会見が行われ、熊切監督が出席した。

 桜庭一樹氏(42)の直木賞受賞作を原作に、震災孤児の少女・花(二階堂ふみ)と彼女を引き取った遠縁の男・淳悟(浅野忠信)との「禁断の愛」を描く。

 1500席の会場には観客が大挙。上映後には「今まで見た日本映画の中で、最も生(なま)な感じがした」などの感想が聞かれ、好評のうちに終了した。

 父と娘の禁断の関係がテーマとあり、宗教倫理の厳しいロシアの記者たちからは「どんな家庭環境で育ったのか?どんな宗教教育を受けて育ったのか?」などと、熊切監督本人のモラルに関する質問が多く飛び交った。

 一方、フランス人ジャーナリストは「監督は豊かな映画言語を持っている。こんなに美しく残酷な愛の本質を描いた映画を他に知らない」と絶賛。モラルの問題だけに言及するのは「映画の本質を見ていない」と熱狂的に支持する記者も。各国の倫理観、宗教観の違いから物議を醸す記者会見となり、もともと「問題作を作る」と挑んだ熊切監督には手応えを感じる時間になった。

 「今映画祭中、最も挑発的な映画。それが吉と出るか凶と出るか?」の声も。一番の問題作として注目を集めたことは間違いなく、受賞が期待される。

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