新人moto「桜の声」 今年の桜ソング2位に 口コミで広がる

[ 2013年3月14日 07:01 ]

ライブでピアノを弾きながら熱唱するmoto

 今年の桜ソングはこれだ!FM局「NACK5」が実施した「2013年リスナーが選ぶ桜ソングBEST10」で、岩手県在住の新人シンガー・ソングライターmoto(24)が歌う「桜の声」が2位に入った。

 巨大地震に襲われた地元で、被災後も咲く桜への思いを込めた歌。「私の歌で誰かが明日から頑張ろう!と思ってくれる、そんな存在になりたい」と話している。

 今年の「桜ソング」をリスナーに調査したのはNACK5の番組「monaka」(月~金曜後9時)。1位は累計230万枚を売った福山雅治「桜坂」で、3位のケツメイシ「さくら」などBEST10に人気アーティストたちの大ヒット曲がずらりと並んだ。

 そんな中、新人歌手のデビュー曲で2位になったのがmotoの「桜の声」。今年の新作で唯一のランクインで、しかもインディーズレーベルの作品。NACK5の2月の推薦曲として繰り返しオンエアされたことが大きかったとはいえ、メジャーレーベルよりはるかに宣伝力が弱い中、有線の問い合わせチャートでも2位になるなど、口コミで“桜の声前線”が広がっている。

 NACK5によると、リスナーからは「今年出る桜ソングはとユーチューブで検索したら、この歌が出てきた。声がきれいで心に響く」「力強い歌声に心打たれた」などの声が寄せられた。

 この“ヒット予報”に呼応するように、ニッポン放送が4月から「オールナイトニッポンZERO」のパーソナリティーにmotoを抜てきすることを決定。番組の松岡敦司チーフディレクターは「ここでの経験から素敵な歌が生まれたらいいなと思っています」と期待している。

 motoは岩手県奥州市出身。ピアノを叩くように弾きながら歌い上げるスタイルは女性シンガー・ソングライターの王道的な雰囲気があり、映像がくっきりと浮かんでくる歌詞からは“なぜ歌いたいのか”という確かな意思を感じる。

 「桜の声」は2010年の大みそかに実家で作り始め、地元の水沢公園の桜の風景がモチーフ。その後、震災があり「自分の地元も被害を受けた中で残った桜がたくさんあって、生命力の強さを感じ、何度も曲を練り直して今の形になりました。歌う時はいつもあの公園の桜を思い浮かべて歌っています」というmoto。春の便りとともに花は開きはじめている。

 ◆moto 本名大泉慕(おおいずみ・もと)。1988年(昭63)7月7日、岩手県生まれの24歳。3歳からピアノを習い「サウンド・オブ・ミュージック」のサウンドトラックに影響を受ける。好きな歌手はaiko、絢香ら。1メートル57。血液型A。

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