どうなる違約金 島田紳助さん 企業側が即刻請求に踏み切れない側面も

[ 2011年8月26日 07:07 ]

CMスポンサーへの違約金が3億円にもなる可能性がある島田紳助さん

島田紳助さん 引退

 芸能界引退を表明した元タレントの島田紳助さん(55)が司会を務めていたテレビ番組が放送中止になり、CMスポンサーへの違約金は合計で3億円にも上る可能性が出てきた。

 所属事務所とタレントの契約書を作成した経験がある元東京地検検事の大澤孝征弁護士は「違約金が発生するかはケースバイケース」と前置きした上で、「企業は番組を通して会社や商品の評判を上げるためにスポンサー契約をするわけで、番組が契約通りに流れなければ債務不履行になる。損害賠償を請求できる」と話す。

 紳助さんが会見で「あるわけがない」と否定した暴力団関係者との写真が実在していたことがその後に判明。会見直後には、暴力団関係者との仲介役だった元ボクシング世界王者で暴力団関係者の渡辺二郎被告(56)=恐喝未遂罪で実刑判決を受け上告中=に電話連絡したとも一部で報じられた。“黒い交際”をしていたタレントを支えていたとなれば、スポンサー企業にとってはマイナス要素だ。

 ただ企業側が即刻、違約金請求に踏み切れない側面もある。世間には「潔く引退した人間をまだ追い詰めるのか、という雰囲気もある」と大澤氏。「今後、さらに悪い証拠が出てきて、世間の空気が変われば、企業も一気に賠償請求に動くのではないか。今は様子見だろう」とみている。

 テレビ局側にとっては、休止番組に出演していたタレントに対して「放送したかどうかにかかわらずギャラは支払わなければいけない」(テレビ局関係者)といい、損害はかさむ一方だ。

 紳助さんが所属していたよしもとクリエイティブ・エージェンシーの親会社である吉本興業側に違約金の補てんを請求することも考えられる。大澤氏は「企業、テレビ局、吉本興業は、法律を超えた力関係で落としどころを探るのではないか」と指摘する。

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2011年8月26日のニュース