北川景子 黒髪で戦中の呉市舞台ドラマに主演

[ 2011年6月13日 06:00 ]

 女優の北川景子(24)が日本テレビの終戦記念スペシャルドラマに主演する。「この世界の片隅に」(8月5日後9・00)で、戦中の広島県呉市が舞台。北川は時代設定が現代以外の“時代モノ”ドラマは初挑戦。戦況が日増しに厳しくなっても、爆撃で利き手を失ってもけなげに生きる女性役に黒髪にして臨む。「未来を見つめるきっかけになる作品に」と意気込んでいる。

 北川は現在公開中の映画「パラダイス・キス」でモデルにスカウトされた高校生を熱演するなど茶髪の似合うイマドキの女性の代表格。09年に映画「真夏のオリオン」で現代女性と戦争中に生きた祖母の2役を演じたが、ドラマでの戦中は初体験。

 「ドラマで時代モノの作品はかねて挑戦してみたいという気持ちはありましたが、私でいいのかな」と恐縮しているが、西牟田知夫プロデューサーは「現代劇のトップを走る北川さんが戦中の女性を演じるギャップが新鮮に映ると思う」と太鼓判。この期待に、カネボウのヘアケアブランド「SALA」のCMキャラクターを務めるなど、自慢の髪を黒くして臨む気合の入れようだ。

 原作は09年度「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞を受賞した、こうの史代氏の同題漫画でフィクション。広島市出身の絵を描くのが好きなすず(北川)が、海軍事務官の周作(小出恵介)の住む軍港・呉へ嫁ぎ、持ち前の明るさで新しい家族へ尽くす。その一方で、夫の元恋人で遊郭で働くリン(優香)の存在に不安になったり、海軍に入隊した初恋の人・哲(速水もこみち)に出会い、ドキドキするなど、現代にも通じる女心も描かれる。

 そんな普通の暮らしをするすずも、爆撃で一緒にいた義姉(りょう)の娘と自身の右手を失ったり、故郷・広島に原爆が投下され、家族の消息が不明になるなど、理不尽な戦争の波に襲われる。

 制作サイドは「戦中のドラマは著名な人物や事件を描くことが多く、フィクションは珍しい。名もなき庶民に焦点を当てたホームドラマ」と強調。北川は「すずからは強さ、たくましさを感じました。これからの日本の未来を見つめるきっかけとなるような作品にしたい」と話している。

 ≪芦田愛菜も戦災孤児役で出演≫フジテレビ「マルモのおきて」(日曜後9・00)で人気の子役、芦田愛菜(6)も戦災孤児役で出演。原爆が投下された後の広島で、家族を捜しに出掛けたすずがベンチに置いたおにぎりに空腹のあまり手を伸ばす役どころ。すずが爆撃で亡くなっためいっ子を思い出し、救いの手を差し伸べる。ワンシーンのみの出演だが、泣かせるシーンになりそうだ。

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2011年6月13日のニュース