あれから20年HMV渋谷が閉店 「時代の流れ」ネット配信で苦戦

[ 2010年8月22日 17:39 ]

 音楽CDなどを販売するHMVジャパンは22日、東京都渋谷区にある旗艦店の「HMV渋谷」を閉店した。音楽ソフトの市場縮小や、インターネットでの音楽配信などで苦戦を強いられたことが背景にある。

 HMV渋谷は、1990年代に「渋谷系」と呼ばれるポピュラー音楽の発信源とされて全国から注目されていただけに、店舗閉鎖はCD不況の象徴といえそうだ。
 この日の閉店に合わせてミニライブやトークショーを実施。来店していた東京都目黒区の男性会社員(56)は「閉店は残念だが、ネットでダウンロードする人が増えているので、時代の流れではないか」と名残惜しそうに話した。
 HMVジャパンは90年に渋谷店を1号店としてスタート。同社として最大級の売り場面積に豊富な商品をそろえ、渋谷に集まる大勢の若者らでにぎわった。
 しかし、ネット配信などで国内のCD市場は縮小。日本レコード協会によると、CDの生産額は98年の5878億円をピークに減り続け、2009年には2459億円に落ち込んだ。HMVジャパンも厳しい経営を強いられており、「店舗運営上の都合のため」(広報担当)として旗艦店の閉店を決めた。これにより、国内店舗数は47店となる。

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2010年8月22日のニュース