根岸監督 太宰の母校で講演「津軽背負った姿描いた」

[ 2009年10月5日 20:23 ]

 モントリオール世界映画祭で監督賞を受賞した「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」の根岸吉太郎監督が5日、原作者の作家太宰治の母校、弘前大(青森県弘前市)で講演し「津軽を背負って生きた太宰の姿を見せたいと思った」と制作の経緯を振り返り、太宰への熱い思いを語った。

 根岸監督は、自身の学生時代に太宰文学を敬遠していたエピソードを披露した上で「太宰の享年を越えてから読んでみて若くして逝った一人の男がこう生き、悩み、闘ったことを客観的に見つめられた」と話した。
 講演には学生ら約300人が参加。「太宰が希望に満ちて入った学校で話すのは感無量な気持ち」と感激した様子だった。
 「ヴィヨンの妻」は太宰の短編数本を原作とし、破滅的な生活を送る小説家の夫を持ちながら、前向きな明るさを失わない妻の姿を描いた。10日から全国公開される。

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2009年10月5日のニュース