阿吽の呼吸…筑紫哲也さんと草野さんお別れ

[ 2008年12月20日 06:00 ]

筑紫哲也さんの遺影が3枚飾られた祭壇

 肺がんのため11月7日に亡くなったジャーナリストの筑紫哲也さん(享年73)のお別れの会が19日、東京・赤坂のグランドプリンスホテル赤坂で行われ、一般の参列者も含め2584人が故人をしのんだ。TBSの報道番組「NEWS23」で共演した草野満代さん(41)、SMAPの草なぎ剛(34)、サッカー元日本代表MF中田英寿氏(31)、福田康夫元首相(72)ら各界の著名人が最後の別れを告げた。

 参列者は筑紫さんの遺影が飾られた祭壇に白いカーネーションをささげ、思い思いに手を合わせた。喪服姿の草野さんは「最後にお会いしたのが6月末。とても元気でいつものように音楽、お芝居などいろいろな話をしていました。こんな短期間で亡くなるとは想像していなかった。本当に残念です」とあらためて悲しみを口にした。
 草野さんは、筑紫さんがメーンキャスターの「NEWS23」で97年10月から06年9月までサブキャスター。気心の知れたパートナーに筑紫さんが最後に渡したプレゼントが「阿吽(あうん)」と書いた色紙。「(阿吽と書いた意図は)何でしょうね…。照れ屋でシャイで言葉じゃなくて…。(色紙を)見るたびに9年間ご一緒できて本当に幸せだったと思います」。阿吽の呼吸だったことへの感謝を伝えたかったのかもしれず、草野さんは目を潤ませた。
 03年6月に筑紫さんが進行役を務めたTBSの報道特集スペシャルで、韓国の盧武鉉大統領(当時)にインタビューをした草なぎは「筑紫さんが“韓国との懸け橋になって頑張って”とアドバイスをくれて背中を押してくれた。筑紫さんの凄く大きな器を伝えていきたい」としのんだ。
 「対談などでお世話になりました」という中田氏は「筑紫さんの人を引きつけるリズムのある話し方が好きだった。そのリズムが印象に残っている」と振り返った。福田元首相は「アニキのような人で日常のいろいろな話をしました。酒が強くてね…」。偉大なジャーナリストの旅立ちに、参列者の列は途切れることがなかった。

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2008年12月20日のニュース