山崎邦正が気合「月亭方正」で落語披露へ

[ 2008年11月28日 06:00 ]

 大阪・京橋の“新名所”吉本興業の劇場「京橋花月」が、28日オープンする。同日のこけら落とし公演の後、29日からスタートする昼の公演では、必ず東京吉本所属の芸人が出演するのが売りの1つ。中でも月亭方正の名で落語を披露する山崎邦正(40)は「気合入ってます。ぜひ足を運んでください」と意気込んでいる。夜公演は、関西の吉本の劇場では初となる本格芝居を上演。こけら落としの「かさ」の脚本を担当したメッセンジャー黒田有(38)は、仕上がりに自信をのぞかせた。

 京橋花月「ひる寄席」に連日、日替わりで出演する東京のタレント。中でも、12月8日に月亭方正として落語に挑む山崎は“京橋進出”を待ち望んでいた1人だ。
 同劇場へのピンでの出演は月に1回程度の見込みで、常に月亭方正で出演。兵庫県出身で、現在、京橋にある読売テレビ「なるトモ!」に出演中。そういう意味でも「思い入れはあります。この世界に入って21年。劇場ができては消え…、というのを見てきたので、若手と今の時間を共有できる劇場ができるのは嬉しい」と話す。芸人同士の東西交流についても「大賛成。東京のタレントもみんな喜んでいる。東京、大阪の空気も分かるし、芸人同士仲良くなるとテレビ番組とかでも、より良いものができる」と歓迎した。
 バラエティーなどで活躍する山崎が落語に目覚めたのは2年前。40歳を前に「タレントより芸人になりたい。芸を身につけたい」と、1人でできることを探すうちに落語を思いつき、桂枝雀さんのCDに耳を傾けたという。
 それまで全く知らない世界だったが「1人で何役もやり、泣かせることも笑わせることもできるのがすごい」と衝撃を受け挑戦を即決。「寝る前や待ち時間、移動のタクシーや電車の中で常に聴いていた」と必死に学習した。のめりこんでいくうちに「古典をやりたくなったんです。けど、勝手にやったらアカンし…と思ってたら『身近に落語家がいたやん』と気がついて」月亭八光に相談。その後、八光の父・月亭八方に“弟子入り”した。内弟子などを経験していないため本当の弟子ではないが、稽古も1度つけてもらっており、高座の際には手直しも受けているという。
 すでに落語会・月亭会で4回、天満天神繁昌亭で1回出演。今年5月、初出演した月亭会の打ち上げの際に八方に「酔った勢いで『月亭をください』と言ったら、ええよと。さらに邦正の邦を八方の方にしたらと言われた」と名前をもらったというが「あくまで落語家ではなく、異業種部門ですね」と謙遜する。
 京橋花月での初高座については「着物も着ますし、テレビとは違う山崎邦正を見せられる」と気合十分。当日は八方も出演するため“師弟共演”となる。「その点でもすごく嬉しい。お客さんだけではなく、師匠にも見ていただきたい」と話した“新人落語家”は、新劇場での新境地の定着へ意欲を燃やしている。

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2008年11月28日のニュース