“オモシロ夫婦”小百合が大自然ロケ

[ 2008年3月4日 06:00 ]

雲仙普賢岳をバックに息のあった演技をみせる吉永と竹中

 吉永小百合(62)の主演映画「まぼろしの邪馬台国」(監督堤幸彦)が佳境の九州ロケに入った。2、3両日は長崎県島原市で撮影が行われ、雲仙普賢岳をバックに熱の入った演技を繰り広げた。時代背景に合わせてサザエさん風の髪形も披露し、“おちゃめな小百合”をアピール。初体験となったハイビジョン撮影も満喫しており「100年先まで生き続ける映画にしたい。幻にはしない」とタイトルにひっかけて燃えていた。

 2月24日の熊本県阿蘇市からスタートした九州ロケ。宇土半島の干潟などを回り、吉永と夫役の竹中直人(51)は西に普賢岳、東に有明海を臨む絶景のロケ場所で大自然に溶け込んだ。
 昭和30~40年代に邪馬台国探求に人生をささげた盲目の郷土史研究家・宮崎康平氏を、自ら杖(つえ)となって支えた妻・和子さん(78)の視点で描いた夫婦の物語。お堅い作品といったイメージが先行するが、どうしてどうして“おもろい夫婦”の一面も見せる人間ドラマだ。
 1991年6月3日の火砕流で死者・行方不明者43人を出した普賢岳。130メートル隆起し標高1483メートルの平成新山が誕生したが、吉永は「最初は威圧感を感じましたが、今は落ち着いている。その麓で素晴らしい絵(場面)が撮れている」としみじみ語った。テンション高めの竹中との息もぴったりで「本当に楽しくて、空気のような存在になりつつあります。私もおちゃめにやらせてもらっています」とサザエさん風のカツラをつけてニッコリ。夫に腹を立て生卵を壁にぶつけるシーンもあるが「竹中さんに当たっちゃいました。快感でした」と笑わせた。
 対する“夫”竹中も相好を崩しっぱなし。「あこがれの吉永さんとの夫婦役。自信と勇気をもらってます。夢のようです」とにやついた。
 山田洋次監督(76)と手合わせした「母べえ」を「手作り感」とたとえた吉永は堤監督の現場を「時代の最先端」と表現。「ハイビジョンでしわ1本まで映し出されますが、おもしろく感じています。これからの私にとっても試金石(笑い)」とジョークも交えて現場を満喫。ロケ隊はこの後、佐賀県の吉野ケ里遺跡に移動し、いよいよ卑弥呼に扮する幻想場面に臨む。8月に完成、東映の配給で11月に全国公開。

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2008年3月4日のニュース