松坂大輔氏 由伸に200イニング「目指してほしい」 大谷、ダルビッシュ、千賀とサイ・ヤング賞争いを

[ 2023年12月26日 06:00 ]

今年2月のキャンプで山本(右)を直撃取材した松坂氏
Photo By スポニチ

 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】本紙評論家の松坂大輔氏(43)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」。今年最後となる12月編は、ドジャース入団が決まった山本由伸投手(25)の新天地での大いなる可能性について語った。今オフの大リーグの移籍市場でランキング1、2位だった大谷翔平投手(29)との強力タッグは相乗効果を生み出し、近い将来の日本投手によるサイ・ヤング賞争いにも思いをはせた。

 他のメジャー29球団が一番恐れていた事態ではないでしょうか。大谷選手に続いて山本投手がドジャースと契約。ド軍は25歳という若さとあり余る才能を手にし、そして日本が誇る2人は同僚になりました。個人的には対戦するシーンも見たかったですが、同じチームで強力なタッグを組むのも面白い。何より大谷選手の存在は山本投手にとって大きな助けになると思います。

 大谷選手は来季がメジャー7年目。長い経験に基づいた貴重なアドバイスを山本投手は直接本人から聞くことができます。打者に対するアプローチの仕方、長いシーズンの調整方法…。大谷「投手」の経験を吸収できる。これ以上ないメリットでしょう。

 それでなくても山本投手は大リーグ歴代の投手で最高額という高い評価で契約しました。まだメジャーで1球も投げていないのに、です。日本では敵なし。その投球を実際に見て、大リーグの並み居る打者も驚くと思います。映像やデータはチェックするでしょうが、1メートル78というサイズからは想像もできないボールが来ます。全ての球種を自在に操れますし、打席に立って初めて対戦した時に「凄み」を体感することになるはずです。

 勝ち星は味方打線との兼ね合いもありますが、山本投手には先発としてぜひ200イニングを目指してほしい。自分もレッドソックス1年目の07年に204回2/3を投げましたが1年間ローテーションを守らないと届かない数字です。山本投手はコントロールがいいので、球数が増えずに長いイニングを投げることも可能です。そして、その先の未来で自分が思い描いているのが大谷投手やダルビッシュ投手、千賀投手とのナ・リーグのサイ・ヤング賞争い――。日本投手の能力の高さは既に証明されていますし、そんな瞬間が必ずやってくると信じています。

 来季は打者に専念する大谷選手も、投手として投げる負担がなくなり打者としてどんな成績を残すか楽しみしかありません。自分の自宅はボストンですが来季は米大陸の反対側、西海岸での取材が増えそうですね。日本のファンの方のワクワクも伝わってきます。来年3月。韓国・ソウルでの開幕戦もこの目で見る機会があれば、と思っています。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年12月26日のニュース