阪神 来秋ドラ1候補は、関大・金丸夢斗 山口高志氏から「火の玉ストレート」伝授153キロ左腕

[ 2023年12月26日 05:15 ]

関大・金丸夢斗

 阪神が来秋のドラフト1位候補に、関大の最速153キロ左腕・金丸夢斗投手(20)をリストアップしていることが25日、分かった。今秋の関西学生野球リーグ6登板で6勝、2完封を含む4完投を記録し、3年間通算で奪三振率11・73を誇る奪三振マシン。高校、大学の先輩である元阪神コーチの山口高志さん(73=関大アドバイザリースタッフ)から受け継いだ「火の玉ストレート」が武器の本格派を、密着マークしていく。 

関大・金丸は来秋ドラフトの目玉だ。今秋は無双状態。2完封を含む4完投で防御率0・35を誇り、6戦全てで勝利投手になった。リーグ優勝に貢献し、自身2度目の最優秀選手賞も獲得。最速153キロの直球を軸にして、決め球のスプリットも一級品で、制球力も高い。松山市で行われた今月の大学日本代表合宿にも呼ばれた逸材だ。

 阪神の球団関係者は「どの球団も1位候補に挙げる素材。プロの環境に入ればさらに力をつけそう。DeNAの東のようになれる可能性がある」と分析。同じ関西学生野球リーグの立命大出身で、今季最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した左腕を引き合いに出して高評価をした。

 阪神との縁を感じさせる経歴の持ち主でもある。関大で指導を受けた山口高志さんは、阪神の元投手コーチ。日米通算245セーブで名球会入りした藤川球児氏(阪神スペシャルアシスタント=SA)を育てたことで知られる。また、阪急での現役時代は速球派として名をはせ、藤川SAの代名詞「火の玉ストレート」を投げた「元祖」といえる剛速球投手だった。

 金丸の出身高校・神港橘(兵庫)は、関大OBでもある山口さんの母校・市神港と兵庫商が統合してできた学校。偉大な先輩に教えを受けるために関大へ進んだ。「昔ながらの練習方法ではなく、山口さんが現代の練習を取り入れてくれて、それが自分に合った」。入学後にメキメキと力をつけ、2年生だった昨春リーグ戦の同大戦で1試合17三振を奪って大ブレーク。山口さんから「火の玉ストレート」を受け継いで3年間で185回2/3を投げ、242奪三振をマークしている。9イニングあたりの奪三振率11・73を誇る驚異の奪三振マシンへと成長した。

 18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一に輝いた猛虎では今季、伊藤将、大竹が2桁勝利。そこに来季がプロ2年目となる門別を入れた3人が、来季、先発ローテーション入りを期待されるサウスポーだ。投手王国を将来にわたって強固にするためには、さらなる左腕の獲得が不可欠。地元・関西で生まれ育った金の卵に熱視線を送り続ける。

 ◇金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年(平15)2月1日生まれ、兵庫県神戸市出身の20歳。広陵小1年から広陵少年野球部で野球を始めて投手や一塁手。広陵中では軟式野球部に所属。神港橘では1年秋から背番号10でベンチ入り。2年秋から背番号1を背負い、3年夏の独自大会で8強入り。関大では1年秋からリーグ戦に登板し、今年12月には大学日本代表候補選手の強化合宿に参加。50メートル走6秒5、遠投110メートル。1メートル77、77キロ。左投げ左打ち。

 ○…来秋のドラフト戦線は、関大・金丸と、守備力と巧打で高い評価を得ている明大の遊撃手・宗山塁が、投打の目玉になりそうだ。加えて今年に続き、大学生投手が充実。愛知工大の157キロ右腕・中村優斗を筆頭に、富士大の147キロ左腕・佐藤柳之介、環太平洋大の152キロ左腕・徳山一翔と地方リーグにも1位指名を狙える好投手がそろう。野手では、2年秋の関西六大学リーグでシーズン5本塁打の新記録を樹立した大商大・渡部聖弥や、大学日本代表の4番を務めた青学大・西川史礁ら、強打の外野手にも注目が集まる。

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