中畑清氏 大谷に一番入ってもらいたいと思っていたドジャースはベストな環境 50発期待

[ 2023年12月12日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】もう笑っちゃうくらい凄いね。大谷翔平。10年総額7億ドル(約1022億円)だよ。アスリートとして世界最高額の契約。日本の選手が頂点に立つなんて、私までお金持ちになった気分だ。

 しかも選んだのが一番入ってもらいたいと思っていたドジャース。私にも少なからず縁がある。1973年。駒大2年生のときに第2回日米大学野球の代表に選ばれた。初めての米国開催。第1、2戦はドジャースタジアムで行われた。別世界の球場。凄くきれいでね。天然芝のフィールド。スパイクで踏み入れていいのかと思ったよ。

 巨人時代は藤田元司監督1年目の81年、フロリダ州ベロビーチのドジャータウンで春季キャンプを行った。グラウンドが何面もあってさ。メジャーリーガーだけじゃなく、必死にアピールしているマイナーの選手にも接した。スケールの大きさを感じたね。ド軍のキャンプ地はアリゾナ州へ移ったけど、今でもよく覚えている。

 そんなわけで親近感のあるド軍。大谷はベストの選択をしたと思う。エンゼルスと同じロサンゼルス。気候が温暖でさ。右肘じん帯修復手術の執刀医、ニール・エラトロッシュ医師がチームドクターってのが大きい。来年はまだ投手としてのリハビリが続くからね。常にケガと背中合わせのアスリートにとって主治医が近くにいてくれるっていうのは心強いものなんだ。

 エ軍では6年間一度も出られなかったポストシーズン。ド軍はここ10年で9度地区優勝し、11年連続で進出している。ともにMVP経験者のベッツ、フリーマンと組む上位打線は強力。来年こそは「ヒリヒリする9月」を迎えられそうだ。

 ロバーツ監督もいいねえ。沖縄生まれでお母さんは日本人。今回、大谷と面談したことをメディアにしゃべって騒ぎになったけど、うれしいことがあると黙ってられない。その気性、私とかぶっちゃうんだよね。

 そして破格の条件。大谷が望んでいた条件を全て満たしたのがド軍だったんじゃないかな。

 世界一のアスリートとして迎える来季。バットマンに専念するだけに、ホームラン50本を期待したいな。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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