ソフトB 斉藤和巳1軍投手コーチが来季4軍監督に 小久保新監督を「底」から支える

[ 2023年10月25日 02:00 ]

ソフトバンクの斉藤和巳1軍投手コーチ
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 ソフトバンクの斉藤和巳1軍投手コーチ(45)が、来季の4軍監督に就任することが24日、分かった。球団から新設2年目を迎える若いセクションのトップの就任を打診されていたが正式に受諾。沢村賞に2度輝いた右腕が、現役時代から自主トレを共に行うなど交流の深かった小久保裕紀新監督(52)を“ピラミッド”の底から支える。

 来季から斉藤和巳投手コーチが、4軍監督として再出発する。

 今季、1軍投手コーチとして10年ぶりに古巣復帰した。メジャー挑戦したエース・千賀(メッツ)については「彼の穴は埋められないという言葉は使いたくはない。どうにかして埋めます」と意気込んだ。結果的に先発陣の規定投球回到達者は不在。斉藤和コーチはレギュラーシーズンを振り返り「全体的によく頑張ってくれた。もっとできたんじゃないかっていう部分は正直あります。それを引き出せなかったのはこっちの責任」と反省を口にしていた。

 ただ、中継ぎ陣へ目を向ければ救援防御率はリーグトップの2・68。松本裕は「8回の男」として立場を確立し、左腕・田浦やルーキー・大津らの成長があった。16日のCSファーストS第3戦。3―3と追いつかれた延長10回、サヨナラ打を浴びて崩れ落ちた大津に優しく寄り添う姿があった=写真。06年CSファイナルSで9回にサヨナラ打を浴び、泣き崩れたエースだからこそ、痛みを知る。今度は支える側になった。

 そんな1年間をトータルし、球団は全日程終了後、同コーチに4軍監督の就任を打診。1軍投手コーチとは“畑違い”とも言える転任だが、環境一新の意味でも受諾することを決めたとみられる。

 小久保新監督のことは現役時代から自主トレをともにするなど、兄のように慕ってきた。95年にドラフト1位で入団も5年間で5勝。6年目の01年から小久保監督の自主トレに入門して変わる。徹底して自らを追い込む過酷なメニューに食らいつき、03年は20勝3敗。最多勝、最優秀防御率、沢村賞などタイトルを総なめにした。

 小久保監督と同じ、兄貴肌。甲斐野、津森、杉山らは“和巳3兄弟”と呼ばれた。明るい性格で若手に寄り沿う姿は来季2年目を迎える4軍には最適だ。“兄”から学んだことは、若鷹へと伝承する。設立2年目の4軍というピラミッドの底からの恩返しとなる。

 「勝たないと面白くない」と何度も言い続け、正真正銘のエースだった男が、投手だけではなく、野手にも勝者の心技体を植え付け、常勝軍団復活の戦力となる礎をつくる。

 ◇斉藤 和巳(さいとう・かずみ)1977年(昭52)11月30日生まれ、京都府出身の45歳。南京都(現京都広学館)から95年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)入団。通算成績は150試合79勝23敗、防御率3.33。06年に投手5冠で沢村賞を2度(03、06年)受賞。11~13年はリハビリ担当コーチ。今季から1軍投手コーチとしてチームに復帰した。1メートル92。右投げ右打ち。

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