ドラフトは23年の戦いにどう影響した?パ・リーグ編 オリックス&西武 主力投手全員生え抜きも…

[ 2023年10月25日 05:30 ]

オリックスの東
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 26日に迫ったドラフト会議。3回にわたって掲載するドラフト会議直前特集の第2回は「ドラフトは23年12球団の戦いにどう影響したか・パ・リーグ編」。今季各球団の主力となった20選手を挙げ、ドラフト戦略の効果を分析する。(企画・構成=春川 英樹)

 <オリックス 東ら育成出身選手も活躍 西武は山川不在で打力低下>オリックスの3連覇と、激しい2、3位争いが最終戦まで続いたパ・リーグ。24日の第1回で特集したセ・リーグとの違いも表れた。まず、各球団の20選手中の自前のドラフト指名選手数はセ平均が14.5人だったのに対してパは16.2人で2人近く多い。13人で最少だったロッテ以外の5球団は16人以上。セの16人以上は広島の17人の1球団のみだった。さらに、セ6球団で20選手に入った育成ドラフト出身選手は巨人の中継ぎ投手の菊地のみだったが、ソフトバンクの5人をはじめパは計8選手。その分、全体の指名順位平均もセより数値が大きくなる傾向が見て取れた。

 投手10人全員がドラフト指名選手だったのがオリックスと西武。チーム防御率はオリックスがリーグトップの2.73、西武が2位の2.93だった。オリックスは10投手中6人がドラフト1位(楽天と並んで最多)で、西武はそれに次ぐ5人がドラフト1位と似たような構成で、リーグの投手成績1、2を争った。オリックスはさらに、先発数が8試合で7番目ながら6勝を挙げた17年育成ドラフト2位で23歳の東、1勝に終わったものの22年1位で22歳の曽谷が7試合に先発で貢献。中継ぎに欠かせない20年育成3位の宇田川も含めて、育成出身選手もうまくミックスした起用がはまった。西武は13年2位の山川を欠いた打線がいずれもリーグワーストの90本塁打、435得点。1点差試合を28勝13敗としぶとく勝ち抜いたオリックスとは対照的に、22年の本塁打、打点の2冠王不在の打力低下が順位に表れた。

 <ロッテ 補強投手でやりくり>最終戦で2位を決めたロッテは順位と対照的に、厳しい戦いだった。特に投手。10選手中、外国人と移籍選手が5人。ドラフト指名選手の活躍が限られた。チーム防御率3.40はリーグ5位。13年1位で開幕投手に決まっていた石川歩が、右上肢のコンディション不良によりプロ10年目で初めて登板なしになったのも響いた。CSファーストS、ファイナルSでも先発投手の駒不足を露呈。佐々木朗に次ぐ、即戦力投手の加入が急務となりそうだ。

 <ソフトバンク 底上げ不足で主力高齢化>育成ドラフトで成果を上げてきたソフトバンクは、転換期を迎えている。千賀のメッツ移籍、モイネロの左肘手術などもあった投手陣は、12球団で唯一、規定投球到達が0人。メジャーから復帰加入した有原が唯一の2桁10勝を挙げたが、自前選手では42歳で8勝を挙げた02年自由獲得枠の和田の奮闘が光る程度だった。打撃陣も35歳の柳田、中村晃が33歳、今宮が32歳と年齢を重ね、投打の平均年齢29.6歳は、ヤクルトの29.5歳を上回り12球団最高に。最近5年のドラフト指名で20人に入ったのは甲斐野、津森、柳町、大関の4人。近年ドラフトの成果が効果的と言えない。

 <楽天 新戦力投手対等も野手の核不在>僅差の4位に終わった楽天はリーグ2位の513得点、2位タイの104本塁打など打線は充実。一方の投手陣は556失点、チーム防御率3.52はリーグワースト。特に先発防御率3.66と精彩を欠いた。オリックスと並び10人中6人の1位指名投手が名を連ねているが、結果が伴わなかった。ただ、荘司、早川のドラ1先発

 <日本ハム 万波、野村ら伸びしろ期待>日本ハムはリーグで最も平均年齢が若い26.4歳。特に万波、野村、清宮が24歳以下で発展途上の野手は平均25.3歳で、最も高かったソフトバンクの29.4歳と約4歳差。経験は少ないが、今後の伸びしろに期待がかかるチームでもある。今オフメジャー挑戦を目指す上沢が抜けると考えれば、今ドラフトでは将来エースとなり得る即戦力投手獲得が最優先となる。

 ▽主力20人選定基準 今企画の主力選手(投手10、野手10)選定は、以下の条件で行った。投手は先発を先発数上位6人、中継ぎは登板数上位3人、抑えは最多セーブ数投手の10人。野手は今季の打席数上位から10人とした。FA、トレード、現役ドラフトなどでの加入選手は「移籍」扱い。また、入団後に移籍し再度、ドラフト指名された球団に復帰した選手は、その球団のドラフト指名選手として扱った。別表の平均年齢、ドラフト平均順位は、各球団の20人から外国人、移籍選手を除いた選手で計算した。

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