ダメなら今年は終わり…鬼気迫る広島・玉村が好投!日替わりヒーローに 新妻に118日ぶり勝利球贈った

[ 2023年8月6日 06:31 ]

セ・リーグ   広島7-3巨人 ( 2023年8月5日    マツダ )

<広・巨>田中(右から2人目)からウイニングボールを受け取る玉村(左から2人目) (撮影・奥 調)
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 広島・玉村昇悟投手(22)が5日の巨人戦で118日ぶりの2勝目を手にした。5月以来の先発起用に応える7回2失点の好投。自己最速に並ぶ148キロの直球を軸に21個のアウトのうち11個をスライダーで奪うなど変化球もさえた。右手中指のマメの影響で登録を外れている森下の代役として巡ってきた機会で新たな日替わりヒーローが誕生し、3連勝で首位・阪神を1・5ゲーム差のまま追走した。

 玉村は背水の思いで挑んだ。5月19日の阪神戦以来の1軍マウンド。右手中指のマメの影響で7月30日に登録を外れた森下に代わって出番が巡ってきた。「チャンスはいっぱいもらえるわけではない。今回ダメだったら、今年は(チャンスが)回ってくるのは厳しいかなと。それぐらいの覚悟でいった」。結果を出すには攻めるしかなかった。

 初回先頭の吉川に4球連続の直球勝負。3球目に自己最速に並ぶ148キロまで上がり、三塁線へのゴロは田中の好守に救われて乗った。チェンジアップとカーブを交ぜた緩急で翻弄(ほんろう)し、5回2死まで完全。球威が落ち始めた6回は吉川に左中間へ適時二塁打を浴び、7回は岡本和に左越えソロを浴びても7回99球の2失点で投げ抜いた。

 「勝つと気持ちいい。結果が出て良かった」。打者の左右を問わず勝負球にはスライダーを選択。「打者の反応が良かったので、勝手にそういう決め球になった」。21個のアウトのうち11個をスライダーで仕留めた。昇格直前の7月下旬には投球時に左足の後ろ側にあった重心をつま先側に変更。「軸足の体重の乗りが悪かったので変えた。力の抜き(バランス)も良くなった」。微調整で球威も上がった。

 一家の大黒柱として責任感が芽生えた。今年1月にインフルエンサーのきららさんと結婚。7月25日には第1子となる長男が誕生した。「妻には料理など、いろいろサポートしてもらってありがたい。子供が家にいると楽しいし、リラックスできて、野球との切り替えもできている」。4月9日の巨人戦以来、118日ぶりの2勝目。家族に贈るウイニングボールをつかんだ。

 10連勝後の3連敗を3連勝で盛り返し、再び今季最多の貯金14。投打とも離脱者を抱えて決して万全でなくても、誰かが穴を埋めて首位・阪神に食い下がる日々が続く。新井監督は「日替わりでヒーローが出てくると、チーム全体が盛り上がるし、そういうチームは強いと思う。どんどん出てきてもらいたい」と充実感を漂わせた。 (長谷川 凡記)

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