中村武志氏 際立ったDeNA・バウアーのピンチでのギアチェンジ

[ 2023年7月28日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA2―1中日 ( 2023年7月27日    バンテリンD )

<中・D>力投するバウアー(撮影・椎名 航)
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 【中村武志 視点】ピンチでギアを上げる、バウアーの特徴が際立った試合だった。序盤から要所を締める投球。2―1の6回無死一、三塁では、まずビシエドを得意のナックルカーブで空振り三振に仕留めた。走者を背負うと、腕を強く振って変化量が上がるから落差も大きい。かつて中日でバッテリーを組み、ノーヒットノーランを達成したメルビン・バンチもピンチでカーブの落差が増したことを思い出した。

 続く高橋周には内角高めの156キロ直球で二ゴロ併殺。ピンチになると、打者の懐を攻める力勝負が増える。勝てる投手の特徴でもあり、勝てない投手はいろいろ考えすぎて四球を出したりする。バウアーは改めて勝てる投手だと実感した。

 投げたいところに投げられるコマンド能力の高さはメジャートップクラスだったが、来日後はまだ安定していない。そのイライラが出て、味方の失策が重なるとヒヤヒヤする。6回は三塁手・宮崎の悪送球でピンチを背負ったが、いつもより冷静でさすがのギアチェンジを見せてくれた。(スポニチ本紙評論家)

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