浦和学院 亡き三浦貴さんに捧ぐ夏甲子園 指揮官大粒の涙「天国で見てくれている三浦先生のために…」

[ 2023年7月28日 13:28 ]

第105回全国高校野球選手権 埼玉大会・決勝   浦和学院-花咲徳栄 ( 2023年7月28日    大宮公園 )

埼玉決勝<浦和学院・花咲徳栄>優勝した浦和学院ナイン(撮影・村上 大輔)
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 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)埼玉大会は28日、大宮公園で決勝が行われ、浦和学院が花咲徳栄を7-2で下し、2021年以来2年ぶり15度目の甲子園出場を決めた。

 3回、5番・三井の右前適時打で1点を先制。3回に同点とされたが、4回に3番・喜屋武の右前2点適時打で勝ち越した。さらに4番・西田、5番・三井の連続適時打でこの回4点を挙げた。6回にも三井の右前適時打などで2点を追加した。

 投げては先発の左腕・鈴木が3回で降板したが、4回から登板した渡辺が追加点を許さない好救援。8回からは3番手・月野、9回からは4番手・田中がマウンドに上がり、リードを守り切った。

 優勝の瞬間、森大監督はガッツポーズし、涙を浮かべて天を仰いだ。

 大会中の24日には、OBで巨人などで活躍し、13年からコーチを務めていた三浦貴さんが大腸がんのため45歳の若さで死去。ナインは亡くなる2週間前までグラウンドで指導を受け、森大監督も長年慕ってきた大きな存在へ捧げる甲子園切符となった。

 優勝インタビューで森監督は「本当に最高の相手と、最高の試合をできて、生徒に感謝したいです。生徒ありがとう!」と涙をぬぐった。「この44期生は昨年の夏の決勝で負けを経験して、ずっと悔しい思いをしてきて。昨日のミーティングでは、3年生には、1、2年生と一緒に全員野球できる、それが一番の長所だと話しました。今日は全員でつかんだ勝利だと思います」と声をつまらせた。

 2017年以来6年ぶりとなる花咲徳栄との決勝でリベンジ。「コーチの時に、バックネット裏で負けた瞬間見ていて、ほんとに悔しかったんですけど…今日果たせて良かった」と振り返り、「天国で見てくれている三浦先生のためにもと、選手たちは頑張ってくれました。選手たちに大きな拍手をあげてください」と涙が止まらなかった。

 監督としては初の夏の甲子園となる。「浦和学院としては15回目ですが、私としては初出場。皆さんのご期待にそえるかわかりませんが、生徒たちが必ず頑張ってくれると思います。埼玉代表として恥じないように頑張ります」と意気込んだ。

 また、江口主将は「最高です。それと三浦先生に捧げた勝利だったと思っています」と涙をこらえながら喜んだ。「悲しいこともあったんですけど、悲しく思わず、天国で見てくれている三浦先生のために絶対に勝とうと思っていた。勝てて良かったです」と亡き三浦さんに思いを馳せた。

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