創部21年目の悲願 宮崎学園がサヨナラ初甲子園 2年生左腕・河野、延長10回156球完封

[ 2023年7月26日 04:30 ]

第105回全国高校野球選手権記念宮崎大会決勝   宮崎学園1―0聖心ウルスラ学園 ( 2023年7月25日    ひなたサンマリンスタジアム宮崎 )

<宮崎学園・聖心ウルスラ学園>初優勝を決めた宮崎学園ナイン
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 宮崎大会はノーシード対決となった決勝が行われ、宮崎学園が聖心ウルスラ学園に延長10回タイブレークの末に1―0でサヨナラ勝ち。春夏通じて初の甲子園出場を決めた。代打の渡辺隼人(3年)が右前に劇打を放った。投げては背番号11の河野伸一朗(2年)が10回7安打12奪三振の好投で完封した。

 常夏の宮崎に新しい風が吹いた。延長10回タイブレークは1死二、三塁。宮崎学園は代打の渡辺の右前適時打でサヨナラ勝ち。男女共学になった03年に創設された野球部の悲願となる初の甲子園出場を決めた。殊勲の3年生は「めっちゃうれしい。フルスイングをしようと思った」と喜びを爆発させた。

 劇打を生んだのは、間違いなく先発した2年生左腕の河野の好投だった。1メートル89の長身から投げ込む130キロ台の直球とスライダーを武器に好投。聖心ウルスラ学園の左腕、渡野弘翔(3年)との手に汗握る投手戦を展開した。両チーム無得点でタイブレークに突入した延長10回は1死二、三塁のピンチを招いたが、相手の1番をスライダーで三振。2番を直球で投ゴロに打ち取った。10回でも130キロ台後半の直球を投げ込むなど、156球を投げきっても球威は衰えなかった。2回と9回以外は三振を奪い計12奪三振で優勝に貢献。「夢舞台だった甲子園に行けると思って、とてもうれしい」と感慨に浸った。

 春季大会は自らの登板がなく敗れた。「悔しくて。このままじゃダメだと」と自分に言い聞かせた。学校の専用球場横にある急勾配の坂道100メートルを毎日10本ダッシュして下半身をいじめた。「投げる体力もついた」と今大会は5試合中、4試合の計42回を一人で投げきった。制球を乱して自滅することもあった左腕の成長に崎田忠寛監督は「今まででベスト。すごい成長していると思います。終盤でも130(キロ)後半が出るようになったのは、今大会が初めてですよ」と目を細めた。

 河野は帽子のつばに「甲子園」と記した。今大会にかける思いからだった。次はチームの目標「甲子園1勝」をかなえるため、腕を振る。(杉浦 友樹)

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