DeNA、トレードでヤクルトへ 阪口皓亮という男 「番長監督初勝利」をプレゼント

[ 2023年7月26日 13:31 ]

DeNA阪口
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 DeNAの三浦大輔監督は、阪口に頭が上がらない、と記者は勝手に思っている。

 21年4月4日、横浜スタジアムの広島戦。就任初年度の三浦DeNAは、それまで開幕から8戦6敗2分けと白星が遠かった。「番長はいつになったら勝てるのか?」そんなファンの声も大きくなっている中、9戦目に先発したのがプロ未勝利の同年初登板初先発、阪口だった。

 結果は5回3安打無失点で3―1の勝利に貢献。三浦政権にもようやく光がさした。だが、この試合は阪口にとっても「プロ初勝利」のメモリアルデーだった。

 記者は阪口初勝利に向け、本人と話して企画を考えていたが、それも「番長監督初勝利」で扱いが小さくなってしまった。翌日に「番長に勝てなかった」と本人に話すと笑顔で「そうですよね」と応えてくれたのを覚えている。

 その年、阪口は2勝した。勢いに乗るかなと思ったがその後失速気味となり、今季は2軍で中継ぎに転向した。

 とはいえ、大阪出身で明るい性格。記者陣を見つけると「僕の取材はないんですか」と近寄ってきたりして、人なつっこいキャラクターでもある。きっとヤクルトでもすぐにナインに溶け込むだろう。

 番長も「監督初勝利をもたらしてくれた男」のことを丁重に送り出し、一生心に刻み込むに違いない。
 (大木 穂高)

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