満塁機打率10割、阪神の主砲が怖すぎる… 勝負強い今季の虎、チーム全体でも・472

[ 2023年5月15日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神15―7DeNA ( 2023年5月14日    甲子園 )

<神・D>7回無死満塁、大山は2点適時打を放つ(撮影・後藤 大輝)
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 【畑野理之の談々畑】激しく打ち合った。阪神は2本塁打を含む先発全員の21安打で15得点。DeNAも3本塁打を含む16安打で7得点した。佐藤輝明の3ラン&満塁弾が大きいのは間違いないが、ここまで点差が開いたのは満塁機での差だと思う。

 この試合、阪神は5度あった満塁機で大山悠輔が4回に押し出し四球の後に佐藤輝がホームラン。7回は中野拓夢が2点中前打、大山も2点左前打、梅野隆太郎が右犠飛。凡打は一度もなく、10得点を挙げた。一方のDeNAも同じく5度あったが7回にネフタリ・ソトが右前適時打した1得点のみだった。

 チーム全体の今季の満塁機は42度あって36打数17安打の打率・472。36得点も叩き出している。中でも特筆したいのが4番の大山だ。4打席で3本のタイムリーと1四球で打率10割の計6打点。本当に勝負強い。

 この日も、6打席で5打数3安打4打点だったが、4回に近本の適時打で追いついた2死満塁からの今季5度目の勝利打点となった四球を真っ先に振り返った。DeNAの2番手・三嶋一輝が5球続けたスライダーを全て見逃し。「いつも力んで手を出してしまうボールも冷静に見逃せた。その後に佐藤輝が(ホームランで)勢いをつけてくれましたし、きょう、キーになった一番いい打席だったと思っています」

 塁上が全て埋まれば、その打席の結果が試合の流れを大きく左右するのは必然。5点リードの7回、1点を返されてなお1死満塁で代打・戸柱恭孝に対して登板した岩貞祐太が二ゴロ併殺で反撃を断ち切った。直後の5得点は、DeNAの意気消沈と決して無関係ではないとみている。岩貞はたった3球の大仕事だった。

 村上頌樹のセ・リーグタイ記録の開幕からの連続無失点が31イニングでストップしたシーンを思い出す。9日のヤクルト戦、0―0の6回2死から3連続四球で満塁としたが無得点に終わった。直後、村上は7回先頭のドミンゴ・サンタナに本塁打された。突然にもらった満塁機が村上の心をゆさぶり、手元まで狂わしたのかもしれない…。この日の満塁機での攻防の怖さを見て、言っても意味の無い「たられば」をまた考えてしまった。

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