カージナルスの大物新人ウォーカー 打率・274はヌートバーより上も、3A降格はなぜ?

[ 2023年4月27日 11:00 ]

カージナルスのジョーダン・ウォーカー(AP)
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 セントルイス・カージナルスが26日(日本時間27日)大物新人のジョーダン・ウォーカー外野手(20)を3Aメンフィスに降格させた。

 ウォーカーは開幕からスタメン出場し、12試合連続安打を放つなど、打率・319、2本塁打、8打点と活躍。しかし連続安打が途切れてからは8試合で打率・192、28打席で9三振、長打は二塁打一本だけだった。首脳陣はパワーのあるウォーカーがゴロ率60・4%と打球が上がっていないことを指摘。オリバー・マーモル監督は「バットを振るときは打球がゴロにならないように。彼は強い打球が打てる。もっと打球を上げられれば、長打や本塁打が増える」と説明している。

 ここまでの打率は・274、チームメートのラーズ・ヌートバーの・250より上だ。しかし貢献度の大きな差は出塁率(ヌートバー・442、ウォーカー・321)、そして何より守備力だ。ウォーカーはもともと三塁手で、プロ入り後も1年目は三塁手だったが、カージナルスにはノーラン・アレナドがいる。2年目から外野に回ったが、マイナーで31試合しかプレー経験がないまま今季メジャーに昇格。1年目から37本塁打、OPS(出塁率+長打率)1・013だった先輩アルバート・プホルスの再来と期待されていたからこそのメジャー昇格、起用だった。

 守備面に関しては20試合に出場し、エラーこそ記録されなかったが、守備指標は最低。野球データ専門サイト「ファングラフス」は63人の正外野手の中でOAA(OUT ABOVE AVERAGE/平均よりどれだけ多くのアウトを奪ったか)は「-3」で最下位タイ、UZR(ULTIMATE ZONE RATING/平均的な選手に比べて守備でどれだけ失点を防いだか)は「-3・2」で最下位、DRS(DEFENSIVE RUNS SAVED/守備防御点)は「-5」で下から2番目と紹介。守備は「ひどい」と断定している。肩そのものは強く、送球の平均速度は94・2マイル(151・6キロ)で外野手3位、最速となる100・2マイルも計測している。しかしどこに投げるかの判断が悪く、コントロールも良くない。打球の追い方も一歩目が遅く、その後の動きも緩慢に見える。「ファングラフス」は24日に「期待ほど打てていないため、守備を鍛え直すために降格すべき」と提案していたが、その通りになった。

 カージナルスはシーズン前はナ・リーグ中地区の優勝候補と目されていたが、ふたを開けてみると25日(日本時間26日)の時点で9勝15敗の最下位。一番の弱点は先発投手で、ここまで防御率5・22で24位。これはある程度予測されていたことで、ヌートバーら守備のうまい選手でカバーしていくはずだった。悪い流れを変えるべく、カージナルスは大物新人を3Aに送った形となった。

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2023年4月27日のニュース