大野豊氏 阪神・西純は課題くっきり スピードはあってもタイミングを合わせやすい投球

[ 2023年4月21日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―7広島 ( 2023年4月20日    甲子園 )

<神・広>4回、松山に逆転打を許した西純(撮影・岸 良祐)
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 【大野豊 視点】阪神・西純は自分の持ち味を生かし切れていない。球のスピードはあるが、打者にとっては見やすい角度になっている。開幕から3試合目の登板。過去2度も走者を出しながら何とか踏ん張った形だったが、三度目の正直とはならない。初回、4回と無死満塁から失点を重ねた。いずれも連打に四球が絡んでのピンチ。つくり方も悪かった。

 勝負球であるフォークも引っかかり気味でコントロールができていない。明らかにボールと分かるから、打者も手を出してくれない。松山にはカウント1―1からストライクを取りにいって、走者を一掃された。同じ西でも西勇はタイミングが取りにくい球筋を持っている。西純は合わせやすい。そこが違いだ。

 1点差で迎えた終盤に5番手・石井が決定的な失点を与えたのも、湯浅が不在という状況を考えると痛い。リリーフで中6日という間隔は調整も難しい。味方の失策も絡んだが、終盤の継投という課題がクローズアップされた形になった。

 広島は新井監督の意地が連敗脱出につながった。4回1死満塁で代打に松山を起用した早めの仕掛けが成功した。不安を抱える抑えの栗林が1点を失った9回無死一、二塁では自らマウンドに向かい、いい意味で開き直らせたのも大きな監督の動きだった。

 試合前の練習で新井監督と話し合って、スタンスを広く取ることを決めたデビッドソンが得点につながる2安打を放ったことも、今後の戦いにもプラスに作用するとみた。(スポニチ本紙評論家)

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