村田善則コーチがWBCで苦労し、改めて感じた「指示のシンプルさ」

[ 2023年4月21日 08:00 ]

WBC優勝メダルをかけてセレモニーに臨む(左から)吉村コーチ、松井裕、大城卓、岡本和、戸郷、大勢、村田コーチ (撮影・西川祐介)
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 気づけば、世界一奪回を果たしたWBCの歓喜から1カ月がたとうとしている。侍ジャパンの戦いが、人々に大きな感動を呼び、選手個々の成長にもつながった。大きな経験を得たのは選手たちだけではない。侍バッテリーを支えた巨人の村田善則バッテリーコーチ(48)もその一人だ。

 決勝の米国戦は豪華7投手の継投で1点差をしのぎきった。先発の今永が2回1失点。22歳の戸郷が続く2回を無失点に抑えると、20歳の高橋宏、25歳の伊藤、23歳の大勢が1イニングずつ無失点に封じ、ダルビッシュ、大谷のメジャー勢へとつないだ。村田善コーチは「ある程度イメージした組み立てができたので、そこは継投を含めて凄くハマった。最高の結果が出て本当によかった。ホッとした。世界一の瞬間は、うれしいのと“あれ?終わった?”っていう、なんとも言えない感情でしたね」と振り返った。

 国際大会において苦労し、改めて感じたのは「指示のシンプルさ」だ。「普段戦っているNPBの試合だったら、だいたいキャッチャーも相手バッターのことを分かった上で、話していける」。ところが、国際大会ではそうもいかない。「普段も受けていないピッチャー、対戦相手もまだ特徴がつかめていないバッター。それをどうキャッチャーに伝えていくか、シンプルさと、それなりの根拠も示さなきゃいけない。それは大きな経験になった。結果にも結びついたので、自信にもなりました」とうなずいた。

 感謝の気持ちを込め、マウンドでの輪から離れた場所で、甲斐、中村、大城卓の3捕手から胴上げされた。「胴上げというか担がれたというか…」と笑った村田善コーチ。「スター選手のみんなが必死な姿。そういうのを間近で見られたのも個人的には凄く良かった。一生懸命野球に取り組む子供たちには、限界をつくらずに夢を大きく持って、ひたむきに頑張ってほしい」と優しくエールを送った。(記者コラム・花里 雄太)

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2023年4月21日のニュース