広島ドラフト5位・河野 “黒田先生”独り占め「これからの財産になる」

[ 2023年2月14日 06:55 ]

広島・河野(左)にアドバイスをする黒田球団アドバイザー(撮影・平嶋 理子)
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 広島ドラフト5位の河野佳投手(21=大阪ガス)が宮崎・日南キャンプ第3クール3日目の13日、黒田博樹球団アドバイザー(48)を約20分間独り占めしてマンツーマン指導を受けた。ブルペン入りして71球を投じ、変化球の使い方などについて助言を受けた。同アドバイザーから即戦力として太鼓判を押され、開幕1軍入りに向けて貴重な時間を過ごした。

 偶然が重なり、レジェンドからの特別講義が始まった。まず午前中にブルペン投球を予定していたのは、今春最少に並ぶ2人のみ。その一人の森下が先に投球を終えたことで、河野だけがブルペンに残る形になった。こうして黒田球団アドバイザーが新人の投球を見る流れになり、同氏を約20分間独り占めしての指導が実現した。

 「憧れていた投手が教えてくださったことは、これからの財産になると思います」

 身ぶり手ぶりを交えて、変化球の使い方などを伝えられた。例えば、武器となるカットボールについては「対右打者と左打者では使い方が変わってくる。イメージを変えて投げていけばいい」。同氏は現役時代に左打者の内角にツーシームを投じる「フロントドア」を駆使するなど、変化球の使い方にこだわってきた。その日米通算203勝右腕からカウントに応じた使い分けなど高度な投球術を授かった。

 「どう投げていたのかという話をしていただいた。自分も“こういう攻め方だろうな”というのはあったので、新たな気付きというよりかは、取り組んできたことの延長線。こうすれば、もっと幅が広がるという話をしていただいた」

 9日のフリー打撃登板では、小園の打球が右足すね付近に直撃して8球で交代していた。2日ぶりのブルペン投球となったこの日は力を入れて71球を投じ、調整のギアを入れ直す一日となった。「球数を投げていなかったので、このクールで少し多めに投げたいと思っていた。足の状態も問題ない」。今後は、シート打撃に登板するなど実戦でのアピール段階へと移行する。

 広島には小学5年から広陵を卒業するまで住んでおり、当時から黒田氏は憧れの存在だった。その同氏から制球力の高さやカットボールの切れ味を評価され「新人のときの僕よりも凄いボールを投げている。僕より凄い投手になる可能性のある投手だと思う」とまで言わせた。「(教えてもらったことを)どんどん試して、打者の反応を見てみたい」。この忘れられない時間を開幕ローテーション入りへのヒントにする。 (河合 洋介)

 ◇河野 佳(かわの・けい)2001年(平13)8月23日生まれ、兵庫県出身の21歳。広陵では2年夏と3年春に甲子園出場。大阪ガスでは21年の日本選手権で4試合全19イニング無失点で優勝に貢献し最高殊勲選手賞。同年の社会人年間表彰で最多勝、最優秀防御率、ベストナインの3冠。1メートル75、82キロ。右投げ右打ち。

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