西武 来春プロ野球初の医療施設「ライオンズ整形外科クリニック」開業 一般診療も

[ 2023年1月31日 05:30 ]

ライオンズ整形外科クリニックのメリットを語る松井監督
Photo By スポニチ

 西武は30日、帝京大とスポーツ医科学サポートに関するパートナーシップを締結すると発表した。今年4月から3年間で、24年春に「ライオンズ整形外科クリニック」をアスリートメッド社の協力で開業予定。球団によるクリニックの開業はプロ野球初の試みだ。

 松井監督は「本拠地のすぐそばに医療施設があることで、治療はもちろん、未然にケガを予防することができる。非常に心強い」と期待を膨らませた。

 これまでは本拠地から車で30~40分を要して立川市内の病院で診察、治療を受けていた。新設される医療施設はベルーナドームや2軍施設から徒歩数分。プレー中のケガはもちろん、試合前に感じた違和感ですら、早期診療で対処できる。

 現役時代、腰痛に悩まされた指揮官はメジャー時代を回想した。ほとんどの球場にエックス線検査・撮影が可能な環境が整っており「死球やクロスプレーで痛めた時にすぐに診察してもらえることは安心感があった」と振り返り、「僕が選手の時に欲しかった」と笑みをこぼした。

 チームドクターを務める増田裕也氏(帝京大医学部付属病院整形外科准教授)が医院長に就任する。MRI検査やエックス線検査が可能な設備と技師をそろえ、注射治療など万全の医療体制となり、2階にはリハビリステーションまで完備。入院の必要のない手術ならば可能で、選手の状態に合わせた処置が行える。新生ライオンズの心と体の支えになりそうだ。(福井 亮太)

 ≪ハイパフォーマンス部門新設 ドクター1人→6人≫球団に「ハイパフォーマンスグループ」を新設する。ケガの予防、早期回復、パフォーマンス向上を目指した部門。06年から3大会連続でWBCの侍ジャパンチームドクターを務めた増島篤氏(帝京大病院整形外科医)がディレクターに就任。チームドクターは1人から6人に、理学療法士は2人から4人に増員。松井監督は「コンディションを調整し、高いパフォーマンスを発揮する助けになる」と感謝した。

 ≪一般にも門戸開放≫新設される「ライオンズ整形外科クリニック」はチーム内にとどまらず、一般診療も行い門戸を開放する。チームドクターが診察することで、プロ野球選手らトップアスリートが受ける最先端の治療を受けられる。帝京大スポーツ医科学センター・センター長の河野博隆氏は「リハビリは電気や温めなど、じっくりというよりは運動しながらリハビリするアスレチックリハビリが特長になってくる」と説明。後藤高志球団オーナーは「地域の皆さまへ“ほほえみと元気”をご提供することへつながることを確信しております」と地域貢献を強調した。

続きを表示

2023年1月31日のニュース