【22年ドラフト下位指名】西武育成2位 日隈モンテル 強肩で走者襲う「所沢のヒグマ」に

[ 2023年1月31日 05:00 ]

入寮時に笑顔を見せた西武・日隈
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 合言葉は「ヒグマが出たぞ」。西武に育成ドラフト2位で入団した日隈モンテル外野手(22=四国徳島)は、身体能力と俊足を生かした潜在能力を評価された。モデルのような長い手足で、守備と強肩も魅力。昨年12月の入団会見では、支配下登録されてベルーナドームのファンの前に「出没」することを誓った。

 大きな爪、ではなく強い肩で走者を襲う。大型のヒグマは北海道の森林などに棲息するが、大型外野手の日隈は埼玉・所沢に出る。昨年12月の入団会見はキャッチーなフレーズで自己紹介した。

 「ベルーナドームで“ヒグマが出たぞ”とファンに言われたい。サインにクマさんのマークを入れました」とサイン色紙を掲げた。

 米国人の父と日本人の母を持つ日隈。四国アイランドリーグplusの徳島に所属した昨年7月、投手から外野手に転向した。金光大阪、社会人時代も目立った実績はないが潜在能力を買われて育成でドラフト指名された。50メートル走5秒7、垂直跳びは91センチとプロバスケットボール選手並み。松井監督に「身体能力が凄い」と憧れるが「垂直跳びは負けない」と自信がある。

 秋山(現広島)が移籍した20年以降、外野3ポジションともレギュラー不在で、今オフの最重要の補強ポイントだった。打力を磨けば、争いにも割って入ることができる。2月6日からの春季キャンプは高知のB班(2軍)スタートが決まり、じっくり鍛え上げる。

 兄が成し遂げられなかった夢がある。2学年上のジュリアスさんは15年ドラフト4位でヤクルト入りしたが、20年の退団まで1軍登板がなかった。背番号は「119」。支配下から育成再契約された兄が、3年間つけていた番号だ。「この背番号を(球団が)与えてくださったのは、何か意味があると思う。早く2桁の番号をつけたい」と兄の思いも背負いながら戦っていく。

 沖縄出身で、同郷の山川に打撃について聞くことも楽しみにしている。「足の速さを生かした守備でどこまでもボールを追いかけたい。1軍の舞台で暴れたい」。まずは支配下登録という「獲物」に狙いを定め、2軍で大暴れする。(神田 佑)

 ≪四国・徳島から10年連続の指名≫四国・徳島は昨年ドラフトで西武育成2位の日隈、日本ハム育成2位の中山、オリックス育成4位の茶野が念願のプロ入り。10年連続でプロ野球選手誕生となった。同ドラフトでは埼玉の名門である花咲徳栄(埼玉)・藤田が、日本ハム育成1位指名を受けて8年連続の指名を達成。大学球界では明大の村松が中日2位指名を受けて13年連続のドラフト指名となった。明大は長打力が持ち味の内野手・上田が今秋のドラフト上位候補で、来年には既に大学野球No・1遊撃手の評価を得ている宗山が控える。連続指名はまだまだ続きそうだ。

 ◇日隈 モンテル(ひぐま・もんてる)2000年(平12)3月18日生まれ、沖縄県出身の22歳。金光大阪では3年間ベンチ外で、卒業後は社会人野球のOBC高島でプレー。沖縄の琉球ブルーオーシャンズ、四国アイランドリーグplusの徳島を経て、22年育成ドラフト2位で入団。1メートル86、88キロ。右投げ右打ち。

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