【阪神・矢野監督 退任会見(2)】「タイガースはオンリーワン」「僕の夢はまだまだ続く」

[ 2022年10月15日 17:05 ]

<阪神矢野監督退任会見> 涙ながらに質問に答える矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神の矢野燿大監督(53)が15日、大阪市福島区の阪神電鉄本社で退任会見を開いた。就任4年間は3位、2位、2位、3位と全てAクラス入りを果たしながらも、悲願の優勝には届かず。「夢と理想を語りながらやる野球というのは貫けた、やり切ったという思いは持っています」と言いながらも、「やっぱり勝つということが一番大事な部分。リーグ優勝、日本一ができてない、そういうところでは(ファンを)喜ばすことができなかった部分もあった」と悔しさもにじませた。

 現役時代と合わせて20年間在籍した阪神へは「僕の人生を変えていただいたのも、本当にもう阪神タイガースですし、まさか監督をやらせてもらえるとは思っても見なかった」と感謝の言葉を口に。自身の今後を聞かれ、「僕の夢はまだまだ続くんで。子供たちを笑顔にしていくのも僕の大きな夢ですし…」と口にしたところで、こみ上げてくるものをこらえ切れず、涙する場面もあった。

 【矢野監督と一問一答(2)】

 ―4年間のなかでチームに残せたと思うものは
 「それはみなさんが判断していただく部分も多いので、自分がね、あれやこれやっていうようなことはないですけど。やっぱりこう、ファンの人に喜んでもらうチームっていうのは生え抜き(選手)が中心にいる中で、僕はトレードでタイガースにお世話になった身ですけど、安定して強い、そしてタイガースファンの皆さんに喜んでもらうっていうところではやっぱり生え抜きの中心選手がいるっていうのはそういうところにつかながると思ってましたし。こう、僕が受け持たせてもらったときはベテラン選手も多い中でね、そういう入れ替えっていうのもやりたくてやってるわけではないですけど、チームをつくるっていう上ではそういうのをやっていかないといけないというところで、はい。やってきた結果、ほんとに今いる選手たち、その時一緒に戦ってくれた選手たちにも感謝の気持ちでいっぱいですし、タイガースファンのみなさんには可能性のある選手たちがいてもらえると実感してもらえたと思うので、来年以降、本当に楽しみですし。同じ思いで戦ってくれたみんなにそういうチームが作れたっていう感謝しかないです」

 ―今後のチーム、選手に期待することは
 「僕が伝えてきたっていうのはみんな理解してくれてると思いますし、このあとどうするかは選手自身ですし、自分の人生がどうやって良くなるか、自分の野球がどこにつながってるか。また、そんなことも考えながら、そして、迷ったり苦しい時には何か理想にあげてた部分でね、そうだった、一歩前に出て挑戦するんだったとか困っても前に出るんだったなとか、俺たちの野球の中の何かを気づくきっかけにしてもらえたらそんな嬉しいことはないんで。思いっきり挑戦していってもらえたらうれしいです」

 ―20年もタテジマを着た。矢野監督にとって阪神タイガースとは
 「僕の人生を変えていただいたのも本当にもう阪神タイガースですし、まさかね、監督をやらせてもらえるとは思っても見なかった部分ではありますけど、めちゃくちゃ苦しかったですし、うまくいかないとこともいっぱいあったんですけど、でもその分、勝った喜びとか、タイガースでしか味わえないこの日本一の応援をしていただけた、していただける球団っていうのはタイガースはオンリーワンだと思うので、そういうチームで20年もね一緒にやらせていただけたっていうのはタイガースファンのみなさんに本当に感謝ですし、これからもっともっと喜んでもらえるような球団になっていくと思うんでね、僕も応援していきたいですし、感謝しかないです」

 ―矢野監督にとっての恩師。野村さん星野さんに報告するならどういう言葉が
 「どうなんですかね。もちろん僕は星野さんにもなれないし、野村さんにもなれないし、足元にも及ばないし、でも僕は僕らしくやりきりましたし、星野さんから教えていただいたこと、野村さんから教えていただいたことっていうのは僕の体であったり頭の中に叩き込んでいただけたものがあるので、自分の口から伝えてることも、これ星野さんの言葉だったなとか、これ野村さんに教えてもらったことだったんだなとか、この4年間のなかでもずっとたくさんあったと思うので、一緒に気持ちの熱い監督・星野さんとやらせて頂いてそういう部分は学ばせて頂いた。頭を使ったりすることで勝てるチャンスも十分にある、もっと上手くなれるということは野村さんに教えてもらえた。そのおすそ分けは選手にできたかなと思うんで。僕は僕なりに僕らしい監督を精一杯やりましたという報告はしますけど、どう言ってもらえるかは分からないですね」

 ─今後一番やりたいこと
 「一番は、、ありすぎてねえ。やっぱりチームで動いてる以上、色々なルールもあって人に会うこともできなかったですし。家族もね、ゆっくりというのはなかなかできなかったですし。色んな人にあったりというのがこれからはできると思うので」

 ─今後はどのような形で野球と関わりますか
 「僕の夢はまだまだ続くんでね。子供たちを笑顔にしていくのも僕の大きな夢ですし(涙で声が詰まる)しばらくはゆっくりしますけど、また挑戦していきたいと思います」

 ─阪神ファンへメッセージを
 「本当に、勝つ喜び、優勝の喜びは皆さんに届けられませんでしたが、タイガースの選手たちの魅力というのは伝わったところもあったのかなと思います(涙声)。コロナ禍という中で難しい時でしたが、今シーズンも12球団一の皆さんに来ていただいて熱い日本一の応援をしていただいて本当にありがたかったなと思います。僕もまた来年からはタイガースファンとして、チームが良くなるような、僕に何ができるか分かりませんけど、応援はしっかりしていきながら、そして自分もまた挑戦していくような人生を歩んでいきたいと思います。4年間本当にありがとうございました」(おわり)

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2022年10月15日のニュース