伊東勤氏 大混戦のパ・リーグ オリが若干優位と見るも…難しい三つ巴の戦い方

[ 2022年9月5日 05:30 ]

パ上位3チームの今後の日程
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 【伊東勤氏 視点】パ・リーグの3強大混戦というと思い出すのは西武選手時代の1989年と2001年。特に89年は最終盤のダブルヘッダーでブライアントが4連発。近鉄とのマッチレースのようなイメージが強いが前半から首位を走っていたのはオリックス。最終的に1位近鉄から3位西武まで2厘差の大混戦だった。

 3チームでの優勝争いは難しい。対象が1チームならば先発の顔触れを見て、相手チームの向こう1週間の勝敗を予測できるが、2チームではそうはいかない。他2チームが直接対決していれば必ずどちらかは勝つし、別カードで戦っていても両方が負けるという計算は立てられない。つまり自分のチームが差をつけられないためには勝つしかないのだ。よくトーナメントのような気持ちで戦うと言うがまさにその通り。

 現時点ではオリックスが若干優位かなと思う。山本、宮城、山岡、田嶋ら投手陣が安定し、野手も昨年の優勝経験から落ち着いて戦っている。ソフトバンクも千賀が戻り東浜も復調傾向。西武は先発陣が少し薄いか。野手は経験豊富だが、救援陣が若く焦点になる。いずれにしても力は拮抗(きっこう)し直接対決では差がつかないと思う。

 CSのない時代は優勝争いから脱落したチームとの戦いは比較的楽だった。だが今は違う。3位の可能性があれば楽天もロッテも食いついてくる。難しいのは日本ハムとの戦い。若い選手は生き残りへ目の色を変えてくるし、新庄監督も手綱を緩めないだろう。143試合目まで気の抜けない戦いが続く。(スポニチ本紙評論家)

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