「7番・外崎」千金V弾で西武連敗ストップ オリも勝って0差にパ1~3位の大混戦

[ 2022年9月5日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4―1ソフトバンク ( 2022年9月4日    ペイペイD )

<ソ・西>7回、千賀から2ランを放つ外崎(撮影・岡田 丈靖)       
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 首位攻防1、2戦目を落とした西武は4日の3戦目で、首位ソフトバンクに快勝してゲーム差なしに再接近した。外崎修汰内野手(29)が7回に先制の11号2ラン。5回まで無安打投球だった千賀から、一挙4点を奪う口火を切って攻略し、連敗を3で止めた。また3位オリックスも勝利したため、上位3チームがゲーム差なしとなる事態に。9月以降に1~3位が0ゲーム差となるのは01年以来、史上3度目という歴史的な大混戦だ。

 辻監督が32試合続けた1番の変更に踏み切った理由は2つある。負ければ3位転落の可能性もあった試合。過去7試合で29打数2安打だった外崎について、コーチ陣との話し合いで週明けからの変更案も出たが「グチグチしてもしょうがない」と決断した。

 1つ目が「見ていくタイプじゃなく、打っていくタイプだから」。1番打者は相手投手に球数を投げさせて、多くの情報を収集する役割がある。「調子がいい時はいいけど。1番というのは難しい」と下降気味の調子に合わせて7番に下げた。

 2つ目が「気分転換」。後半戦から固定したことで一時首位浮上の立役者にもなった。実家がりんご園を営むことから「アップルパンチ」と称される長打力を下位で期待した。

 的中したのは0―0の7回だ。最速160キロも計測した絶好調の千賀から均衡を破る11号2ラン。1死二塁で左中間に先制弾を放った。「打順が変わったが気持ちは変わらず。7番でもいつものように」。同回計5安打の猛攻で一挙4点を奪い、右腕を攻略した。

 采配が当たった辻監督だが前日には気の毒な「大当たり」もあった。試合前練習で熊代の打球が観客のビールを直撃。洋服や席がびしょ濡れになり、熊代が大声で謝罪していた。コロナ下で手渡しができないためかなわなかったが、贈り物までしようと試みた。一部始終を見ていた指揮官は「ビール代返せ」と笑い、自身も現役時代に川崎球場で観客の弁当に直撃させてしまい「弁当代払え!」とやじられた記憶がよみがえっていた。

 外崎も「当たり」を取り戻すため必死だった。打つ際に外角球につられて前のめりになる癖を修正。頭の先から真っすぐ下に串を刺すイメージで「一本縦の線でつられているように立った」と4球続いたお化けフォークに体勢は崩れなかった。

 残り18試合で首位に0ゲーム差。首位攻防1、2戦目に連敗しており、辻監督も「負けたらえらいことだった」と胸をなで下ろした。窮地を救った外崎は「緊張感ある中で試合が続く。勝ちに向けて突き進む」と語った。3位オリックスともゲーム差がなく、3チーム横一線の大混戦。まだ先は見えないつばぜり合いの中、チームが欲しかった「当たり」を取り戻した。(神田 佑)

 ≪7番は今季8戦目≫1番から7番に降格した外崎が決勝弾を放った。今季は9番を除き、1~8番全ての打順で先発起用されたことがあるが、7月24日の楽天戦からは32試合続けて1番で出場していた。今季は1番での36試合が最多で、最も少ない4番は4試合。7番は8試合目の出場となった。

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