広澤克実氏 近本は連続試合安打継続中も昨季を「100」としたら今季はまだ「90」ぐらい

[ 2022年7月6日 05:15 ]

広澤克実氏
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 【広澤克実 視点】近本は昨季を「100」としたら、今季はまだ「90」ぐらいしか本来の力を出せていないと思う。この29試合のうち1安打は16試合。仮に昨季も29試合連続安打があったら、その期間では猛打賞やマルチ安打がもっと多かったはず。何より今季はまだ本塁打がない。

 上背がなく細身でバットを短く持っても、内角の速球に対して強く鋭く振れ、本塁打にもできる。他の俊足左打者との大きな違いで、得難い特長だ。内角に強いことは対戦相手も分かっていて、外角の変化球を中心にした攻めが増えている。それに合わせてか、少しバットのヘッドが下がり気味に見える。

 ヘッドが下がると、外角球には対応しやすくなる分、内角球には具合が悪い。攻められ方が変わっても、ストライクゾーンが変わるわけではない。必要以上に相手に「寄せる」ことはない。記録継続を期待すると同時に、せっかくの良さを消してほしくない。

 8日からはヤクルト戦が控える。約2カ月ぶりの対戦。5月よりチーム状態の上がった阪神がどこまで対抗できるか、確かに注目点ではある。ただ、ヤクルト「だけ」を見て戦うわけにはいかない。首位まで16・5差で、2位には4差。ヤクルトに合わせて先発ローテーションを崩すなどすれば、他との対戦にひずみが出る。巨人戦「も」広島戦「も」大切だ。首脳陣や選手が「2位狙い」を言葉にすることはないだろうが、まずは現実的な目標を持って戦っていくことになる…と見ている。(スポニチ本紙評論家)

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