元西武担当記者が語るおかわり君の凄さ 「紙一重の空振り」が相手投手に恐怖与える

[ 2022年7月6日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―4オリックス ( 2022年7月5日    京セラD )

<オ・西>7回1死二塁、中村は同点の左翼線適時二塁打を放つ(撮影・井垣 忠夫)
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 西武の中村は「変態」ではない。大阪桐蔭時代から長距離砲として活躍し、自らが設定するストライクゾーンの大きさはプロ入り後も一定。そのため、悪球や難しいコースを本塁打にする、いわゆる「変態打ち」が少ないのだ。

 確固たるゾーンを持ち、打席での思考はシンプルで「タイミングを合わせるだけ」。だから紙一重の空振り三振が多い。ゾーンを広げてまで際どいコースに手を出すこともないため見逃し三振に倒れることもあるが、相手バッテリーからすれば、いずれの三振も不気味な印象が残る。一発勝負ではなく何度も同じ投手と対戦するプロ野球。たとえ三振でも相手に与える印象は重要で、その後の対戦で一発を狙える有利なカウントに持ち込むことにもつながる。

 記者は06、07年に西武担当だった。当時、中村はレギュラーとしての地位を築く前で、2軍落ちの当落線上となることも多かったが「三振を怖がってスイングしていたら、自分が1軍にいる意味はないですよね」と話すなど信念を貫いていた。積み上げた三振数は長距離砲としてのプライドの高さとも言える。(プロ野球デスク・山田 忠範)

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