「北のドクターK」東海大札幌の150キロ左腕・門別 9球団スカウトの前で14K完封!

[ 2022年7月6日 05:30 ]

第104回全国高校野球選手権南北海道大会・札幌支部Cブロック代表決定戦   東海大札幌3―0札幌新陽 ( 2022年7月5日    札幌円山 )

<札幌新陽・東海大札幌>14三振を奪って4安打完封した東海大札幌の門別(撮影・石川加奈子)
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 第104回全国高校野球選手権(8月6日から14日間、甲子園)の地方大会は5日、南北海道大会の札幌支部各ブロックの代表決定戦が計5試合行われた。Cブロックでは、今秋ドラフト候補で最速150キロを誇る東海大札幌の左腕エース・門別啓人投手(3年)が札幌新陽を相手に完封し、本大会出場を決めた。14三振を奪う力投で、「北のドクターK」の本領を発揮した。

 今春の北海道大会を制した札幌第一が代表決定戦で敗れる波乱。スタンドで見届けた門別は「何が起こるか分からない。初回から全力でいった」と今夏初登板で飛ばした。わずか4安打の完封劇。14三振を奪い「指にかかり、調子の良いボールを投げられた」と納得の笑みを浮かべた。

 大脇英徳監督が「過去にない」という1年秋から背番号1を背負う。1年秋に130キロ台後半、2年秋に146キロを計測し、今年の春先には150キロの大台に乗せた。だが、4月に体調を崩して2週間練習ができず、87キロあった体重が80キロまで落ちた。それでも今季公式戦初戦となった5月の春季札幌支部予選では、同じ札幌新陽を相手に20奪三振で完封。全道大会準々決勝の知内戦でも14三振を奪った。

 現在は体重が85キロに増え「8割くらいまで戻っている」。この日の最速は144キロ。9球団が視察し、北海道に本拠を置く日本ハムの白井康勝スカウトは「真っすぐの指のかかりが良い。ツーシーム系のボールも良い感じに抜けていた。状態は戻りつつあるのではないか」と評価した。

 沈むツーシーム系について、門別は「緩い真っすぐ」だと明かす。「腕の振りを変えずに投げる120キロ台前半から後半のボール。シュートする癖を生かし、2年の冬から練習していた。完成度が高まってきた」。球威が落ちた今春に得た“ケガの功名”もあり「右打者、左打者の打たれにくいコースを発見できた」と打者との駆け引きに生かしている。

 昨夏は準々決勝、昨秋は準決勝で涙をのみ、今夏が甲子園へのラストチャンス。「人生が変わる場所と聞いている。絶対に行きたい」。最後の夏はうれし涙を流し、人生も変える。(石川 加奈子)

 ◇門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道日高町出身の17歳。日高富川小1年の時に富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選ばれた。日高富川中時代は軟式野球部に所属し、高校では1年秋からベンチ入り。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。1メートル82、85キロ。左投げ左打ち。

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2022年7月6日のニュース