矢野阪神 左腕相手に今季5勝13敗 DH候補マルテ抹消危機 自力優勝可能性ついに風前の灯

[ 2022年5月26日 05:30 ]

交流戦   阪神1-6楽天 ( 2022年5月25日    甲子園 )

<神・楽>試合に敗れ、ファンにあいさつする矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 阪神は25日の楽天戦で1―6で敗れ、連勝は3で止まった。今季初登板の楽天左腕・辛島に5回まで1得点に抑えられ、リリーフ陣も打てず。ジェフリー・マルテ内野手(30)が負傷交代するアクシデントもあり、貧打に悩む矢野燿大監督(53)にとっては泣きっ面に蜂となった。今季49試合目にして両リーグ最速で30敗に到達し、26日の結果次第では自力優勝が消滅する。

 3連勝の勢いはどこへ行ったのか。楽天投手陣に大山のソロによる1点に抑えられ、2戦目で交流戦初黒星。昨季から続いていた交流戦の連勝は、7で止まった。矢野監督は言葉少なく、試合後の会見を締めた。

 「流れ的にちょっと向こうに持っていかれたままになったんで。もちろん、それでも(点を)取らないとあかんし、言い訳はできない」

 そもそも勢いの付くような連勝ではなかったのかもしれない。3連勝中も、得点は2、4、1点。投手陣の頑張りで何とか競り勝ってきただけだ。8試合連続1桁安打中で、相変わらず好機では決定打を欠いた。

 攻略しなければいけない相手だった。楽天の先発・辛島は、20年11月5日のオリックス戦以来、約1年半ぶりの1軍マウンド。直球も130キロ台で驚くような変化球もなかったが、のらりくらりと5回まで抑えられた。1―2の4回2死一、三塁のチャンスも、左腕対策で先発に抜てきされた小野寺が力のない遊ゴロで凡退。今季、相手先発が左腕の試合はこれで5勝13敗と、苦いデータ通りの結果となってしまった。

 貧打のチームに追い打ちをかけるアクシデントが起こったのは初回だ。四球で出塁したマルテが走塁の際に右足を痛め、2回の守備から早々と交代。試合後、矢野監督は「ちょっと厳しいんちゃうかなと思っている。あそこ(2回)で無理なんで、抹消になるかなと現時点では思っている」と、26日には出場選手登録を抹消する意向を示した。打率・197と調子が上がっていなかったものの、選球眼があり、迫力不足の打線では貴重な長距離砲。27日からの敵地のロッテ戦ではDHの最有力候補だっただけに痛すぎる離脱となった。

 3連勝でストップし、両リーグ最速で30敗に到達。首位のヤクルトがサヨナラ勝ちを収めたため、26日にも今季初めて自力優勝の可能性が消える窮地に立たされた。まさに踏んだり蹴ったりの状態だ。ただ、チームの課題は明白。打線の奮起を待つしかない。(山添 晴治)

 《26年ぶり両リーグ最速30敗》阪神は連勝が3でストップ。両リーグ最速の30敗目を喫した。阪神のリーグ最速30敗は01年以来21年ぶりで、両リーグ最速は96年以来26年ぶり。今季49試合目で、2リーグ制以降50試合未満の30敗は78年46試合、87年43試合、91年44試合、96年45試合、01年49試合に続く6度目。過去5度はすべて最下位に終わっている。

 《自力V消滅条件は》チームは最短で26日に自力優勝の可能性が消滅する。条件は阪神が負けの場合、ヤクルトの勝ちか引き分け。阪神が引き分けてもヤクルトが勝てば消える。

 《先発左腕に苦闘》阪神が対戦した楽天の先発・辛島は2年ぶりの1軍登板。阪神が今季相手投手に「シーズン初勝利」を許すのは5月7日の松葉(中)に続く18人目。先発左腕との対戦はここ3試合で続いていた勝利がストップ。今季は5勝13敗の勝率・278と苦戦している。

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